今日はフランスの学校改革案 Réforme scolaire についてのお話を。
フランスは6月が年度末、7月初めから8月末、もしくは9月初めまでの2ヶ月の長い夏休みに入るわけですが、子どもを持つ友人と話す時、必ず話題に上るのが「新年度は水曜日どう?」フランス時事に疎いと「へっ?」と聞き返したくなる質問ですね~(笑)。この心は!
紆余曲折の学校制度
まずは大前提。フランスの小学校は現在月・火・木・金が登校日で、8時半登校4時半下校です。・・・日本よりも1日の拘束時間が長いので中日の水曜日休みは貴重、との意見に私も賛成です。フランスの小学校では、担任の気が向いた時に(!?)体育や音楽、図工、生活、英語(担任の能力次第・汗)をやっている節があり、普段はびっちり国語と数学のみ勉強しているので学齢が低い子どもたちはクタクタになって帰宅します。
ところで、時を遡ること2000年。1週間35時間労働法が社会党ジョスパン内閣の下で採用されました。するとどうでしょう、当時は子どもたちは土曜日の午前中も学校があったのですが、下手をすると子どもたちは親と同等、もしくは親よりも長い時間学校にいることになってしまいました。それでは子どもたちに示しがつかないと2008年にはそれまで行っていた土曜日午前中の授業を削除してしまいます。
ところが2012年11月20日。「水曜日休みは子どもたちの生活リズムによくない」と、大統領オランド氏が側近と内々に決めてしまった水曜日午前中学校制。あまりの反対勢力の多さに、2日後には「2年かけて徐々に移行、各自治体の判断に任せる」と言い直したそうです。
…日本でも「ゆとり教育」導入後に見直されましたよね。ということで各自治体の決定にゆだねられた、「水曜日午前中」。ウチの子どもの通う学校の自治体はとりあえず新年度からも水曜日はお休みですが、同じ県でも市が違えば、ちらほら導入しているケースを聞きます。…益々フランス人の個人主義に拍車がかかりそうですね。某紙によればフランス全国1/3の町がこの新案を導入、74%の親が賛成とのことです。
ところで水曜日の午前中に一体何をするのかと思えば。びっくりするので座ってから読んでくださいね(笑)。
Animateurを呼んで懇親会!
Animateurとは催し物を行う人のことですね。う~ん、小学校の頃、お楽しみ会とかで劇団が来たりしませんでしたか?ああいう感じの人たちに子どもの面倒をみさせようという事ですね。
ええ~、勉強させるんじゃないの!?いいえ。なぜなら既存の教師は定められた時間で働いていて、残業なんてもってのほか。新たに雇うには人件費がかかりすぎるし、というわけです。いやぁ、もう、何があっても驚かない、フランス!
働く親からすれば、学童保育に払うお金が浮いていいのかも知れませんが。学童保育がそのまま学校で行われるようになっただけの話で、学童保育は一定の割合を親が支払っているのに対し、新案では学校、つまり自治体、もしくは国庫から支出されるわけですよね。ちなみに1年間で子ども一人150ユーロ計上。フランス国庫、大丈夫?しばらくして又税金上げるとか言い出す?
あとがき
ちなみに私は子どもに水曜日に習い事をさせているのですが、やはりそういう親は反対派です。習い事をさせる時間を毎週お楽しみ会に割かれるってかなり納得できません。。。
フランス、本当に子どもたちの教育考えてる??と憤っている件であります。
執筆 Ayako