Lyon近くの観光地として非常に有名なシュヴァルの理想宮(Palais idéal du facteur Cheval)という場所があります。なんと一人の郵便局員が33年もの月日をかけて造った理想宮なのです。たった一人の力で造ったなんて、すごいですよね!
では、シュヴァルの理想宮とはどのような歴史のある建物なのでしょうか?早速ご紹介していきましょう。
「シュヴァルの理想宮殿」が造られた歴史が凄い!
まず、一人の郵便配達夫、フェルディナン・シュヴァルがシュヴァルの理想宮ができた理由についてお話ししていきましょう。1879年、フランス南部のドローム県オートリーブで、フェルディナンが郵便配達中に石につまづき、よく見るとソロバン玉が重なったような異様な形をしていました。
シュヴァルはその石から何かをひらめき、それ以降、配達中に落ちている石を探し、仕事後に拾いに行くようになりました。そして自宅の庭に拾った石を積み上げる作業を続け、33年の歳月をかけて1912年に終了します。
それは、シュヴァルの空想の中で描いた理想宮だったのです。
シュヴァルの理想宮は無事完成しますが、作業中は「変人でないか?」として白い眼で見られたりもしました。しかし、徐々に話題となってマスコミに取り上げられるようになり、見物客が訪れるようにまでなっていたのです。
現在、シュヴァルは理想宮に似た墓に眠っている
宮殿にシュヴァルは居住しませんでしたが、地下に墓を造って家族と一緒に埋葬されたいと望んでいました。しかし、教会や周囲の反対を受けたため、理想宮に似た小さな墓を村営墓地につくったのです。
シュヴァルが亡くなった後、シュールレアリスムの詩人アンドレ・ブルトンはその「宮殿」に感銘を受け、詩を作成しました。現在、フランスの重要建造物に指定され、修復作業もおこなっています。
歴史的建造物「シュヴァルの理想宮」の楽しみ方
「シュヴァルの理想宮」を見物するための手順についてご案内します。混んでいるときは入り口から長蛇の列となります!最初に入場券を買って中へ入っていきましょう。
こちらが理想宮です。もう一度言いますが、一人の男性が全部一人の力で作ったんですよ!建築家でも大工でもない人がこれほどの建物を作るなんてすごいですよね。装飾のオブジェもたくさんあります。アントニオ・ガウディのサグラダファミリアを思わせますね。
宮殿の中のミニ宮殿でしょうか?細かいパーツが無数に積んであり、作るのには相当の時間がかかりそうです。
まるでおとぎの国に出てくる空想のお城のようです。
ファイナルファンタジーと天空の城ラピュタが合体したような、とてつもないオーラと迫力を感じます。近くで見ると細かい装飾に目が釘付けです。
アンコールワットのような雰囲気もありますよね。理想宮の中には自由に入ることができます。
どの角度から見ても平らな場所がありません!
観光客は皆圧倒され、しょっちゅう足を止めて写真を撮っています。「一人で作ったなんて信じられない!」という表情で宮殿を眺めています。
この方が、理想宮を一人で作った、郵便局員のシュヴァル(Cheval)さんです。小柄に見えますが、意志の強そうな目をしていますよね。
こちらは理想宮の全容の模型です。敷地内には美術館もあり、理想宮が出来上がるまでの過程と歴史を垣間見ることができます。作成途中は変人呼ばわりされていたシュヴァルですが、今では年間15万人が訪れる傑作を生み出したアーティストとして世界中の人々にリスペクトされています。
もっと詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
最後に
シュヴァルの理想宮は、「継続は力なり」の最高レベルをまざまざと見せつけられますよね!シュヴァル氏の理想が詰まった宮殿にぜひ訪れてみてください。芸術の都とも言われるフランスにふさわしい歴史建造物ですよ!
敷地内にある美術館もぜひ見てみましょう。理想宮が完成するまでの33年間の歴史を堪能できますし、宮殿の模型の展示も楽しめますよ。
執筆 Miki