美食の国と言われるだけあって、フランスにはおいしいものや食べたいものがたくさん。パンにケーキにワインにチーズ。高級レストランもいいけれど、地元の人で賑わうビストロにも行ってみたい。旅行中はついつい欲張りになって、お昼に夜にと外食が続きますが、ちょっと待って! ただでさえ量が多いフランス料理を食べ続けていると、体調を崩してしまう場合もあります。
夜にお目当てのレストランを予約しているのなら、お昼はフランス流にバケットのサンドイッチなど軽めに済ますのもいいかもしれません。天気がよければ公園のベンチに座ってお昼ご飯はいかがですか?
パン屋さんでの買い方は
フランス語でパン屋は「la boulangerie」。パン職人のことを「le boulanger」 または「la boulangère」と言います。フランスのパン屋は、日本のように好きなパンをトレイに載せて会計をするのではなく、ガラスケースやレジカウンター越しに店員に欲しいパンを告げて購入します。
バゲットやパン・ド・カンパーニュといったハードタイプのパンはたいてい店の奥の壁側、店員の背中側に置かれているので、自分で手にとるわけにはいきません。つまり、フランス語を話さないとパンが買えないのです。
ゆっくり慌てずに
渡仏したばかりの頃は、パン屋に行ってパンを買うのにも緊張したものです。お昼間際になると客も増え、列がどんどん長くなり「さっと注文しなくちゃ」などと思い焦ることもありました。でも気にする必要はありません。おしゃべり好き、そしてマイペースなフランス人、後ろにどんなに人が並んでいても自分のスタイルを崩しません。
さぁお会計と思いきや、「あと○○も追加で」や「このパンをスライスしてもらえる?」など、なかなか順番が回ってこないこともしばしば。お財布の小銭を全部手のひらにだして、お店の人にお金を数えてもらってる人もいます。だから大丈夫。自分の番になったら、ゆっくりと落ち着いて目当てのパンを注文しましょう。
いよいよ注文
パンは男性名詞ですが、売られているパンは女性名詞のものもあります。男性名詞の代表は「un croissant」「un pain au chocolat」、女性名詞だったら「une baguette」「une quiche」。
クロワッサンがひとつ欲しいのなら「Bonjour, un croissant, s’il vous plaît.」と言えばOK。バゲットは好きな焼き加減を指定することもできます。よく焼けているのが欲しければ「bien cuite」、あまり焼けていないものが好みなら「pas trop cuite」と付け足します。
「Une baguette bien cuite, s’il vous plaît.」と言えば、外側が黄金色でパリパリ、中はふわふわのバゲットを手に入れることができます。
ちなみに、一本では多すぎるという場合には「Une demi baguette, s’il vous plaît.」。一本を半分の長さに切ったものを買うことができます。また、ピザやフ―ガス、キッシュなどを頼むと「Voulez–vous que je le(la) réchauffe ?」(温めますか?)と聞いてくれます。必要ならお願いしましょう。
いろんなパンをひとつずつ
パン屋ではデザートになりそうな甘いデニッシュや、ケーキもたくさん。子供たちだけでなく大人にも人気があるのは「un beignet」。中にチョコレートクリームやジャムなどがつまった、穴の開いていないドーナツです。いろいろな味のものをひとつずつ買いたいときには「Un de chaque, s’il vous plaît.」。2つずつ欲しいのなら「Deux de chaque, s’il vous plaît.」。便利な表現ですので、覚えておきましょう。
注文が終わったら
注文が終わると最後にこう聞かれます。「Avec ceci ?」(他に何か必要ですか?)。これでよければ「Ce sera tout.」(これですべてです)。お会計をしたら「Au revoir.」をお忘れなく。
フランス語を使って買い物しよう
スーパーなどに行けば、言葉を話さなくても買い物はできます。でもせっかくフランスに行くのなら、フランス語を使って買い物を楽しみたいもの。「la boulangerie」を勉強の場に変えて、フランス語で会話を楽しみましょう。
執筆 SAWA