前回の記事よりひきつづき、現在パリの語学学校に在籍する筆者の、最近のDELF受験体験記をお送りしています。今回はサン・ミシェルのジベール(Gibert) という大型書店、及びそこで購入した問題集についてお届けします。
フランス政府認定の仏語検定試験DELFの内容についてはこちら、準備編その1はこちらをご覧ください。
買ってよかった! DELF問題集
サン・ミシェルは学生街カルティエ・ラタンのどまん中。いつ来てもものすごい人ごみのうえ、学期の最初には、学校じゅう同じ日に教科書を指定されるものですから、毎回書店の中も激混みです。人ごみの苦手な筆者はいつも、必要なものだけ買ってさっさと逃げ出すのが常で、あまりじっくり見て回ったことがありませんでした。
けれども、今回は書店の中も静か。しげしげ棚を眺めると、DELF対策の問題集もレベルごとに種類豊富に揃っていてさすが大型書店、見応え充分です。
今回選んだのは、ディディエ(Didier)社の<B2 Le DELF 100%Reussite>というもの。カラーで厚さ1センチほど、16ユーロくらいだったと思います。結果として、たいへん役に立ち、買ってよかったです。
何より、使われている文献が超新鮮! 11月に買ったものなのに、その年の春くらいの日付のものも多数入っていました。編集や校正の期間を考えると、ほんとに最新刊という印象。フランスの現代社会事情がダイレクトに反映された記事が多く、読み物としても大変興味深かったです。(本来、DELFの目的はそういうところを理解するためのはず!)
繰り返しと慣れが大事
学校の授業では通常、この1センチくらいの厚さのものを1冊、1学期(4ヶ月弱)かけてカバーします。試験まで2週間という期間でこれを1冊終わらせられるか不安もありました。が、数をこなすうちいつしか長文にも慣れてきたようで、読むのもあまり苦でなく、結果、当日までに2、3回読み返して全体を網羅することができました。
この、2回以上やるというのが大事。1回やっただけではあまり頭に定着しなかったりします。繰り返すって、ほんとうに効果的です。筆者の感覚的には、2回目には、時間は1回目の4分の1くらいですむうえ、単語の定着率は8割増しくらいに強化される気がします。3回目ともなれば、さらに効率もアップして、ほぼ無敵!
長文に慣れるということ自体もかなり大事です。DELFの問題は、とにかく量がありますから、大量の文章を前にして、ひるまずに取り組めるだけのフランス語基礎体力が必要となります。それはやはり、地道なトレーニングによって身に着けるしかなさそうです。
とにもかくにも、効率最優先!
この問題集に取り組むにあたっては、時間もないので、効率を優先し、自分なりにやり方も考えました。基礎編は後回しにして応用編から始めるとか、文章の内容がきちんと理解できて、知らない単語などチェックできればよしとし、問題はやらないなど。(文章内容さえ理解できれば問題もOKなはず!)
DELFはどの分野でもいきなり長文問題から始まり、問われるのは基本的に「内容」です。こまかい単語の綴りや動詞の活用など問われることはなく、単品の文法問題的なものもありません。(ただ、作文ではたしかに綴り間違いは減点の対象となりますが) なので、ここまで来たらこまかな綴りなど気にするより、ひとつでも多く長文を読んで理解すること、ひとつでも知っている単語を増やすことに力を注ぎました。
単語はアプリで覚える?
今回、苦労したのが単語の覚え方。こちらに来てからだいぶ長いこと…いえ、記憶を辿れば日本にいたときから、いい単語帳がないかなと探しています。
ボキャブラリーの必要性、身にしみて感じます。長文問題の中で出てきた単語をチェックしていくだけでは漏れがあります。それで今回も、ここジベールでさんざん探したのですが…、動詞の用法やイディオムに特化したものはあるのに、なぜか単語帳というものが見つけられませんでした。今後の課題に持越しです。
今回は仕方なく、自家製で代用。壁に紙を貼り、新しく覚えた単語を片っ端からそこに書き込んで、いつも眺めるようにしました。ただ、単語も部屋のお片づけと同じで、カテゴリごとにきちんと分類するのが大事。できるだけ、シノニムや意味の似た単語は一箇所にまとめてつなげて覚えるようにしていました。
これを続けるうち、ニュース記事等で見かけるような定番どころは、かなり網羅できたようです。本番でもそうして覚えた単語がいくつも出て、話の筋を押さえる上で役立ちました。
いまはアプリを利用して単語を覚える方も多いようですね。例えばこちらはAnki というアプリです。
https://apps.ankiweb.net/
短い期間のなかで、効率を重視した筆者流DELF勉強法のご紹介、次回に続きます。お楽しみに。
執筆 Rana