今回はフランス人が毎年首を長~くして待っている夏のバカンスについてお話しします。夏直前のフランス人はどことなく「うきうき」「そわそわ」しているのが感じられます^^なぜならフランス人にとって、夏のバカンスは、1年に1度のお祭り行事とでもいいましょうか、非常~に大事なもの!なのです。
バカンス命!!
バカンスの為に仕事をしている!と言っても過言ではないくらい。とにかく、くつろぎ、遊び、楽しむことが大〜好きな国民です。
夏休みの過ごし方は人によって様々ですが、海沿いの家を借りてのんびり過ごしたり、友人同士で涼しい山中に家を借りて自然の中で過ごしたり、車でヨーロッパ内を旅するといったパターンが多いでしょうか。
フランスのバカンス期間は長い
さて、気になるフランス人の夏のバカンス期間ですが、大体2週間から4週間というのが平均ですね〜。ちなみに、銀行で働いている某友人は何と、毎年8月丸まる1ヶ月のお休みを取っています。えっ、1ヶ月も休めるの?と疑問に思われる方。これくらいで驚いてはいけません。学校の教師にいたっては、夏休みというのは、な、なんと2ヶ月間丸ごとあるのです!!もちろんこの間、教師は一切学校に出勤しません。
尚、子供たちは、夏休みの宿題など「ゼ・ロ」。いわゆる読書感想文やら、日記等の宿題はフランスではいーーっさい「な・し」!本当に、なーんにも無いのです。教師・子供は、まるまる2ヶ月間完全なるパラダイス、いや放置?状態なのです。
ちなみに学年休暇を年間で見ますと、春休み、秋休み、クリスマス休みと、2ヶ月毎に2週間のお休みがあるのです。そして普段、幼稚園・小学校は週休3日。(水曜日は学校が無い!)恐るべき休暇数・・・・。バカンス大国なる由来は、義務教育から始まっているんです。
ただし学校の学習時間も長い
しかし、登校日数が少ない故、一日の学習時間が長い!という難点もあります。例えば小学校低学年の子供たちでさえ、毎日朝9時から夕方4時くらいまでみっちり授業があるのです!高校生にいたっては5時、6時まで…果たして最後まで集中力が持つのでしょうか?
「長期休暇は短いが一日の学習時間も短い日本」と
「長期休暇は長いが一日の学習時間も長いフランス」
皆さんはどちらが効率がいいと思われますか?
ともあれこのバカンス、フランスに住み始めた頃は、「フランス人は休んでばかりで、何て怠け者なんだろう~」なーんて思っていましたが、年月が経つに従い「フランス人は休むことの大切さを知っている」国民でもあるのだなあ、と思うようになりました。
仕事をする時はきちんと仕事をする。遊ぶ時は思い切り遊ぶ。というように、きちんとメリハリをつけているんですね。そのスイッチの切り替えようは、素晴らしいものがあります。見事です!
普段、仕事やプライベートのスケジュールに追われているフランス人も、夏のバカンス期間中は思いっ切り羽を伸ばし、心身共にきちんと充電をし、9月にはシャキっといつものリズムに戻る。見ていて清々しいものがあります。
日本ではこれほど長い期間お休みを取る、というのは難しいかも知れませんが、仕事と休暇をきっぱり分けてメリハリをつけ、上手に人生を楽しんでいるフランス人の姿を少しは見習いたいものですね。
あとがき
パリは8月に入ると、多くの店は閉まり通りを行きかう人もぐっと少なくなり「がらーん」としてしまいます。そう、パリジャンは都会の喧騒を離れ、太陽と自然の恵みを求めて南下するんですね~。
ブティックのオーナーでさえ、もちろんこの時期にバカンスを取るので、街から人が減るだけでなく開店中のお店も減る、というわけです。
それとは対照的に、南仏は、とーっても賑やか!になります。フランス人はもちろん、イギリス人やオランダ人観光客も多く集まり、街中では色々な言語が飛び交います。至る所で催しものが行われ、マルシェも多くの人で賑わい活気に溢れる時期なんですよ!
同じ8月でも場所によってこれほど雰囲気が変わる。その原因は夏のバカンスにあり!のフランスです。
執筆 Miki