〜パリのメトロ〜 スリ集団とマナーについて

2017.01.20

地下鉄の駅

フランスに短期滞在してからというもの、私のライフスタイルは大きく変わりました。

こちらへ到着した当初、見るものすべてが驚きと発見の連続のパリ滞在でしたが、最近は少し慣れてきました。とは言えしかし、いまだにどうしても慣れないというか好きになれないのが、パリのメトロです。

 

日本より犯罪が多いフランスのメトロ

地下鉄のスリ

メトロのお陰(?)で、私はフランスに来て初めて「自分の身は自分で守る」ということを知りました。

一例を挙げるなら、スリや置き引きが日本では考えられないほど多く、電車の中でもホームでも、バッグは必ず前で抱えるように持たなければいけません。これは日本人だからというわけでなく、フランス人でもターゲットにされるので、みんな自分のバッグを前に抱えています。

また電車に座るときは、入り口付近は絶対に避けます。その理由はドアが開いた瞬間に、スリがバッグを奪いとって走って逃げるからです。

このように多種多様なスリのいるパリですが、中でも一番怖いのが、移民の子供によるスリ集団。フランスでは10歳以下の子供がスリを犯しても刑が軽い(警察に捕まっても注意だけで終わるらしい)ので、親が子供にスリをさせます。子供とはいえプロ集団なので、油断は禁物。

幸いにして私はまだ被害にあったことがありませんが、友人は何人か危険な目にあっています。だから電車に乗るときはいつも緊張していなければいけないし、自宅に到着する頃にはひどく疲れきってしまいます。

その一方、ちょっと意外だったのが、満員電車の時に日本のように無理やり電車に乗らないことです。日本のラッシュ地獄を知っている私はびっくりしました。ホームで電車を待っている人は、ホームに到着した電車が混んでいたら乗車しないで、次の電車が来るまで見送ります。しかも日本の満員電車の半分くらいの乗車率で、あきらめてしまうのです。最初に日本にいた時の感覚で、前にいる人を少し押して乗ろうとしたら、すごい形相で睨まれてしまいました。まだまだ乗れるスペースがあるのにもったいないなと感じながら、次の電車に乗りました。

そんなある日友人のブルノエに、

「TVで見たけど、日本の電車はすごいね。ホームで人を無理やり押し込むスタッフがいるんだよね」

と言われた時、そこにいたフランス人みんなが大爆笑。そうすると、同じく友人バレリが「そうそう、私も見たわ」と笑うのです。

「そんなの普通のことよ、それよりフランス人は何で無理やり電車に乗らないの?」と反論。

するとブルノエが、

「僕らは魚じゃない。人間だから、狭い箱の中に無理やり詰め込まれるなんて嫌だね。人権侵害だよ。それに次の電車を待てばいいことじゃないか」

そう言われると、何も言い返すことが出来ません。釈然としないままにいたその時、ふとフランスの渋滞を思い出しました。混んでいても車間距離を無理やり詰めたり、合流してくるクルマにちゃんと道を譲っている姿を・・・

 

あとがき

彼らはスピードが大好きだけど、いつでも心の余裕をたっぷり持っている国民性。そして相手を思いやる気持ちを忘れないのですね。
せっかちな私の性格も、この国を知って変わりつつあるようです。

執筆 Miki

 

 

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