赤ちゃんを迎える準備で一番大切なのは、やはり名前を考えることではないでしょうか。日本のようにキラキラネームは存在するのか?どんな名前が人気なのか?そして、フランス人の親たちがどのような思いで名前を付けるのか気になりますね。今回は、フランスでの赤ちゃんの名前選び、名付け方についてレポートします。
名前選びは妊娠中に!産後では間に合わない?!
新しい家族の誕生に向けてフランス人が取り掛かることは、赤ちゃんのための部屋作りと名前選びです。生まれるまで名前の公表はしませんが、フランスでは出産後3日以内に出生届を出さなければいけません。入院中に役所の方が来てくれるので、そこで出生届と名前の登録をするようになっています。
ですから、赤ちゃんの顔を見てから名前決めるような余裕はありません。誕生してすぐ、親が決めておいた名前で人生をスタートさせるのです。看護師さんも産院のスタッフさんもすぐに赤ちゃんを名前で呼び始めますし、ベビーベットにも赤ちゃんの名前が記載されます。入院中の部屋にも「赤ちゃんの名前とママ」の札がかけられます。日本とは逆ですね。
フランス人の名前選び ミドルネームは必須?
ファーストネームの選び方は、苗字と合わせたバランス、その子が持つルーツ、親の子どもへの思いなどを考慮しながら、名づけ本などで名前の語源を調べて決めていきます。日本と違って、画数などは関係ありません。
フランスではファーストネームのみならず、ミドルネーム(二つ目の名前)を持っている人も多いです。
例えば
ファーストネーム:アントワーヌ ( Antoine )
ミドルネーム:アルベール ( Albert )
ファーストネームは日常的に使われますが、普段ミドルネームで呼んだりすることはありません。ミドルネームを持つ人は、パスポートやIDカードなど公的な書類に記載の必要があれば記入します。
なぜミドルネームが存在するのか
多くの場合、ミドルネームには祖父母の名前や身近な大切な人の名前が選ばれています。家族の絆や歴史に対する思いを込めて、ミドルネームをつけているのでしょうね。
フランスで人気の名前は?キラキラネームはある?
フランスでは日本ほどキラキラネームのようなものは浸透してないようですが、名前に時代の変化を感じ取ることができます。
マリーローズ ( Marie-Rose ) のようにファーストネームで2つの名前がある人は、60代を越えたシニア世代。
マリリン(Maryline)やケビン(Kevin)など、アメリカ風の名前を持つ世代は20代でしょうか。親がアメリカ文化に親しみを持って名付けたという話も聞きます。
クロエ ( Chloé ) やリュカ ( Lucas ) など、短めで覚えやすい名前は10代に多いです。
2024年現在 フランスで人気の名前
2024年現在は、エマ ( Emma ) 、ミア ( Mia ) 、レオ ( Léo ) 、ノア( Noah) などの名前が人気です。
子どもの呼び方は各家庭で異なりますが、ルカを省略して「ル」と呼ぶ家庭もあるそうで、びっくり!忙しい現代社会、名前も呼びやすく覚えやすいことがポイントとなっているのかもしれませんね。
まとめ
日本の名前は漢字で意味を表現できるなど、オリジナルの名前をつけやすいですが、フランスではそれほど名前の選択肢がないように感じます。またフランスでは、あまり馴染みのない外国風の名前は履歴書で良い印象をうけないという噂も…。職場などでは苗字ではなく名前で呼び合うので、フランス人は自分の名前を意識することが多いと思います。名前は親が子供に与える最初のプレゼント。あまり個性的な名前でアピールしないのがフランス流なのかもしれません。
執筆 YUKO