エネルギー移行省(Ministère de la Transition énergétique)のアニエス・パニエ=リュナシェ(Agnès Pannier-Runacher)大臣は、エネルギー節約を国民に呼びかけるため、むこう2年間に一人あたりのエネルギー消費量を10%減らすなどの計画を明らかにしました。
フランスのエネルギー節約計画(sobriété énergétique)
この計画は、2019年7月14日にマクロン大統領が発表した「2024年までに一人あたりのエネルギー消費量を10%減らす」という目標に沿うものです。
ウクライナ危機によってロシアがエネルギー供給を停止していることで、今年の冬に深刻なエネルギー不足が予想されています。
Le Président @EmmanuelMacron a annoncé un plan de #sobriété énergétique.
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— Agnès Pannier-Runacher 🇫🇷🇪🇺 (@AgnesRunacher) July 15, 2022
今回の計画には、以下の2つが含まれる見通しです。
・深夜1時〜朝6時の市街では、大きさを問わずいかなる電光掲示板も禁止する。
・商店で冷房や暖房を使用している間はドアを開放してはならない。
これらの規則に従わない企業には、1,500ユーロ(電光掲示板)また750ユーロ(ドアの開放)の罰金が課されます。
以上のような措置は、公的機関、企業、地方自治体などを含む作業委員会が、今後さらに協議した上で、9月に発表される予定です。
大規模スーパーへの要請
ウクライナ危機によるエネルギー不足が顕著になった7月18日にはすでに、マクロン大統領の呼びかけによって、とくに大型スーパーマーケットがさまざまな取り組みを行っています。
例えば以下のような対策です。
・店頭の照明を、閉店直後に落とす(現在は、閉店後1時間経ってから照明を落として良いことになっています)
・開店前は照明を半分に、エネルギー消費の多い時期には30%に減らす
・夜間の換気や製氷の中断
これらの対策は、ル・クレール (E.Leclerc)、カルフール(Carrefour)、モノプリ(Monoprix)、オーシャン(Auchan)、カジノ(Casino)など多くの大型スーパーマーケットで実践されているといいます。
企業への要請は?
このような措置をみると、企業がそこまで標的となっていない点に気づきます。というのも、企業にとってエネルギーの使用が「競争力」を高めるために重要な要素と見られているためです。
とはいえ、パニエ=リュナシェ大臣は「夜間の消灯」や、「冷房を26度設定にする」「暖房を19度に設定する」などの取り組みを個人的に呼びかけています。
個人への要請は?
またパニエ=リュナシェ大臣は、とくにエネルギーにかんして社会的な立場の弱い個人に対しては、以上のような措置を強制することはないと宣言しています。
ただし企業などの動向によっては、こうした弱い立場にある人々の生活にも少なからず影響が及ぶことが予想されています。
執筆あお
参照
フランスエネルギー移行省 Plan sobriété énergétique : consommer moins, consommer autrement