平成から令和に フランスでも大きく報じられる

2019.05.01

4月30日(火)、天皇陛下が退位され、5月1日(水)午前0時に皇太子殿下が新たに天皇陛下に即位され、元号が平成から令和に移ったことがフランスのメディアでも大々的に報じられ、大きな注目を集めています。

 

フランスでも報じられた退位礼正殿の儀

30日、午後5時から皇居で行われた退位礼正殿(たいいれいせいでん)の儀で、天皇陛下(現上皇陛下)が天皇在位中の最後のお言葉を述べられ、天皇の座を退位された様子がフランスメディアでも大きく報じられ注目を集めました。※皇室典範特例法に基づき、上皇の敬称は陛下としています。

202年ぶりの退位についても詳しく報じられる

明治時代に定められた旧皇室典範、および戦後に作られた皇室典範では、天皇は終身在位と定められていて、天皇が逝去(せいきょ)した場合のみ代替わりするとされています。当時の皇室典範に則(のっと)り、大正、昭和の両天皇は先代の逝去に伴い即位されました。

しかし、2016年8月に明仁天皇陛下(現上皇陛下)が、国民に向けたビデオ内で、退位の意向をにじませるお言葉を発表されたことから、政府が検討を行い、2017年6月に今回一代に限り退位が認められる、皇室典範特例法が制定されました。このことはフランスを始め、世界中で報道され、大きな注目を集めました。

天皇陛下が存命中の退位は、江戸時代後期の1788年1月に光格(こうかく)天皇が退位した時以来、実に202年ぶりとなり、退位礼正殿の儀が行われることが、現代の日本人にとっては初めての経験であるとフランスメディアは報じています。また、美智子皇后陛下が日本史上初の上皇后陛下となることなども紹介されています。

 

フランスではどのように報じられているのか

今回の天皇陛下の退位に伴いフランスのメディアは、上皇陛下の経歴や人柄などを詳しく紹介し、上皇陛下が今の日本のイメージを変えた、と報じています。

・上皇陛下が民間人の正田美智子さん(現上皇后陛下)と恋愛で結ばれたこと
・1992年10月に日中の歴史上初めて天皇が中国大陸を訪れ「我が国が中国国民に対し多大の苦難を与えた不幸な一時期がありました」「我が国民は,このような戦争を再び繰り返してはならないとの深い反省にたち」というお言葉を述べられこと
・2005年の小泉政権時代に高まったナショナリズムに対し「南京大虐殺に対して水を差すような教科書検閲や、一級戦犯が祀られている靖国神社に小泉総理(当時)が参拝することに懸念」の意を表明されたこと
・安倍首相が進めている軍事力保有に対して懸念されていること

などを上げ、天皇陛下が平和を望まれていることや、より国民に近い存在としてイメージが変わったことを報じています。

 

ゴールデンウィークも報道

天皇陛下の退位に伴い、今年のゴールデンウィークが最大10日間になることも大きく報道されています。

今回の10日間のゴールデンウィークに対し、日本人のおよそ45パーセントが不満を抱いている、との調査結果をもとに、労働基準法で定められている週40時間の労働時間や日数平均値18日間の有給休暇も、実際には週60時間の労働、有給休暇もわずか9日間しか取得できていないことなどを紹介し、休みたくても休めない状況を報じています。

フランスでも大きく報じられている天皇陛下の退位、そして新元号の令和。新しい時代はどうなっていくのでしょうか。

執筆:Daisuke

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