水の上を浮上して飛ぶように走行する近未来的なデザインのタクシー「Sea Bubble」のセーヌ川での実証実験が、コスト面での課題から、延期されることがわかりました。
セーヌ川の港を管理する団体は、Sea Bubble開発者のアラン・テボー( Alain Thébault)氏に対して、浮桟橋の利用を一日1,000ユーロ(日本円でおよそ132,000円)で提案していますが、アラン氏は費用に対して難色を示し、「行政との議論の為に、何か月も空白期間を続けるつもりはない」と述べています。
それに対し、スイスの2つの自治体はインフラ整備にかかる費用を提供すると申し出ているため、今後アラン氏は、実証実験の拠点をスイスに移します。来年4月には、スイスのジュネーブと近隣の街の間に、実証実験用のコースが設置される予定です。
このプロジェクトは、交通渋滞が緩和されるとして、パリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長も大きな期待を寄せています。今年の6月にはセーヌ川で試作品の試験が行われ、実証実験は今年の夏から開始する予定でした。
Sea Bubbleは、水中翼で水の抵抗を減らし、水面から50cm上を浮上して走行します。将来的には配車サービスUberとも連携し、気軽に利用できる体制を整えていく予定です。
セーヌ川を水上タクシーで駆け抜ける日は、もう少し先になりそうです。
執筆:Daisuke