パリの街角で職人に出会う!「Journées de l’Artisanat à Belleville」

2026.10.09

ATELIERATELIER VERRE SOUFFLE ATELIER STOKOWSKI Photo : @Tadzio

パリのベルヴィル地区で、職人たちの仕事場を訪ねてみませんか?

2026年10月10日(土)と11日(日)、パリ東部のベルヴィル地区で「ベルヴィル職人の日(Journées de l’Artisanat à Belleville)」が開催されます。

期間中は普段なかなか見ることのできない工房が一般公開され、ジュエリーや陶芸、家具、革、金属、ガラス、織物などさまざまな分野の職人や作家に出会うことができます。

展示された作品を見るだけでなく、実際の制作現場をのぞいたり職人から仕事について話を聞いたりできるのが、このイベントの魅力です。パリの日常の中に息づくものづくりの世界を訪ねてみませんか。

 

ベルヴィルの職人たちを訪ねる2日間

LABO ARGENTIQUE  the analog club experience photo : David Elalouf

「Journées de l’Artisanat à Belleville」は、今年で11回目を迎えます。

このイベントを主催している協会「ベルヴィルの職人たち(L’association des Artisans de Belleville)」は、ベルヴィル地区で活動する職人やクリエイターたちをつなぐ団体。現在ではこの地域に拠点を置く約60人の職人やクリエイターが加入しています。

イベントは2016年から開催され、毎年10月の第2週末に地域の工房を一般公開。ベルヴィルの街を歩きながら、普段なら通り過ぎてしまうような小さなアトリエを訪ねることができます。

2026年は約70人の職人・作家が参加し、50カ所の工房や会場が公開される予定です。

ひとつの大きな会場ですべてを見るのではなく、街のあちこちに点在する工房を自分のペースで巡るのが、このイベントならではの楽しみ方です。

 

ジュエリー、陶芸、家具……多彩な職人技に出会える

ATELIER-DE-LITHOGRAPHIE-Le-Garage-Litho-c-Les-FriponsATELIER DE LITHOGRAPHIE Le Garage Litho  ©︎ Les Fripons

公開される工房は実にさまざま。ジュエリーや陶芸、刺繍、洋裁、家具製作、革製品、金属加工、製本、吹きガラス、織物など、さまざまな分野の職人たちが参加します。同じものづくりでも、使う素材も技法もそれぞれ異なるため、工房をいくつか巡ってみると職人の仕事の奥深さをより身近に感じられそうです。

なかでも注目したいのが、作品そのものだけでなく、制作している場所を見られること。工房には、職人が使う道具や材料、制作途中の作品などが並びます。完成品を眺めるだけでは分からない、ひとつの作品ができあがるまでの工程や、職人が日々どのように仕事と向き合っているのかを想像できるのも、工房公開ならではの楽しみです。

また、「職人技の実演(Démonstrations de savoir-faire)」ではジュエリーや陶芸、靴づくり、印刷、美術作品の修復などさまざまな分野の職人による技法を実際に見ることができます。

 

新たな職人の拠点「Manufacture de Belleville」

LA MANUFACTURE DE BELLEVILLELA MANUFACTURE DE BELLEVILLE

今回のイベントをきっかけに知っておきたいのが、「ベルヴィルの工房(Manufacture de Belleville)」です。

この複合施設はベルヴィルで職人やアーティスト、地域住民らが取り組んできた活動から生まれた、ものづくりの新たな拠点。地域に残る職人文化を守りながら、職人が仕事を続けられる場所をつくり、周辺の住民や団体とのつながりを生み出すことを目指しています。

施設には20の職人工房をはじめ、ホールや多目的スペースなどが設けられています。木工、金属、ガラス、革などの分野に対応した工房が整備され、職人同士の交流や展示、地域との活動などにも利用されます。

イベント期間中は、ここが主要な受付・案内場所のひとつとなります。まず立ち寄ってマップやプログラムを確認してから、ベルヴィルの街に点在する工房を巡ってみるのもよさそうです。

住所:Manufacture de Belleville 37 rue Bisson, 75020 Paris

 

歴史ある「Halle Grésillon」で新たなものづくりを

Halle-Gresillon
Halle Grésillon 2026

Manufacture de Belleville に関する重要な施設のひとつが、ベルヴィルの職人文化を象徴する「アル・グレズィヨン(Halle Grésillon)」です。

この場所には、かつてベルヴィル地区で最後の金属加工工房だった「グレズィヨン金属工房(Métallerie Grésillon)」がありました。その建物を守ろうと、2015年には地域の住民や職人、アーティストたちが保存活動に動き始めました。

その後、建物は保存され現在は「アル・グレズィヨン」として、吹きガラスの工房「Atelier Stokowski」が入るなど職人たちの新たな活動の場として活用されています。歴史ある建物と現在の職人文化が交わる空間は、ベルヴィルならではの風景。今回のイベントでは、こうした職人の活動拠点を実際に訪れ、その背景にある地域の歴史にも触れることができます。

映画やトークから、職人の世界を知る

工房めぐりだけでなく、トークイベントや映画上映も予定されています。10月10日(土)11時から12時30分までは、Manufacture de Bellevilleで「庶民的な地域の中で、アートクラフトの活動を地域の暮らしとどのように結びつけるか?(Comment articuler la présence de l’artisanat d’art avec l’activité au cœur de la ville dans un quartier populaire ?)」をテーマにしたトークイベントを開催。

ベルヴィルのような地域の中に、職人やアートの活動拠点が存在することにはどのような意味があるのでしょうか。職人の仕事だけでなく、地域とものづくりの関係について考える機会になりそうです。

また同じ時期(10月3日から10月17日)には「CinéBelleville」の第1回映画祭も開催。ベルヴィル職人の日の一環として、昔の職人仕事や、20世紀のベルヴィルの職人たちを扱った映画が上映されます。フランスの映画監督アラン・カヴァリエ(Alain Cavalier)による「ポートレート(Portraits)」もプログラムに含まれており、映画を通して職人たちの仕事やかつてのベルヴィルの姿に目を向けることができます。

展覧会も見応えあり!

展覧会が楽しめるのもこのイベントの魅力。アートと職人技の境界をテーマにした現代アート展「Sublime objet(崇高なオブジェ)」や光り輝く作品展「Lumières de Belleville (ベルヴィルの光)」といった興味深い展覧会が開かれます。

 

ベルヴィルの街を歩きながら、ものづくりを発見

CERAMIQUE -CERAMIQUE ANNE BASAILLE ©︎ Les Fripons

ベルヴィルは、さまざまな文化が交差するパリ東部の地域としても知られています。そんな街の日常の中で、今も続いている職人の仕事に触れられるのが、このイベント。

作品を買うことだけを目的にするのではなく、職人と会話したり、道具を眺めたり、制作工程について尋ねたりしながらパリの”つくる人”に出会ってみてはいかがでしょうか。

 

「Journées de l’Artisanat à Belleville」開催概要

開催日:2026年10月10日(土)・11日(日)
時間:14:00~19:00
会場:ベルヴィル地区の工房・会場
受付・案内:Manufacture de Belleville(37 rue Bisson, 75020 Paris)/GRETA CDMA(21 rue Sambre et Meuse, 75010 Paris)
料金:無料
公式サイト:Artisans de Belleville
※工房ごとに公開内容や実施時間などが異なる場合があります。訪問前に公式サイトのプログラムやマップをご確認ください。

執筆:hana

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