DELF A2試験対策(その3)リスニングの内容と対策:公共の場のアナウンス

2023.06.12

 

フランス政府認定のDELF(Diplôme d’études en langue française)A2は、初心者〜中級者向けのフランス語能力試験です。

この試験を突破するには、自分の身の回りのことについて理解・表現するフランス語力が必要です。

このシリーズ記事ではDELF A2試験の内容や対策をご紹介しています。第3回目の今回は、DELF A2のリスニング(Compréhension de l’oral)試験の内容を徹底的に分析します。

(シリーズ第1回では、DELF A2試験の基本情報を、第2回では過去問と参考書を紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。)

 

DELF A2の筆記試験

第1回の記事で見たように、筆記試験はリスニング(Compréhension de l’oral)・読解(Compréhension des écrits)・作文(Production écrite)の3セクションで構成されています。

 

リスニング試験の形式

フランス国民教育省の公式HPでは、異なる形式の2つの過去問を見ることができます。当日どのような形式でも対応できるよう、過去問と問題集でさまざまな設問にあたっておきましょう。

どの形式にも共通なものとして、以下の特徴があります。

―音源は2回聞くことができる(音源と音源の間に解答できる場合もあれば、いくつかの音源がまとめて再生される場合もあり)。
―音源は10秒〜30秒
―問題文を読む時間、解答する時間も10秒〜30秒
―アナウンスやラジオなどのモノローグが多いが、会話もある。

出題数が多いテーマは

過去問のなかで最も出題数が多いテーマは、公共の場におけるアナウンス(annonces publiques)です。例えば公共施設(図書館、プール、空港、駅など)でのアナウンスや、ラジオでのイベント情報などです。

これらには日時や場所などの情報や、それぞれの場における案内・宣伝・警告などが含まれます。

他のテーマとして、会話や電話でのやりとりが出題される場合もあります。友人同士の約束や、商品やサービスの予約などです。

 

リスニング試験の対策

A2試験のリスニングの特徴は、公共の場におけるアナウンスが多く出題されることだとわかりました。これをふまえて、いくつか聞き取りのポイントをまとめます。

アナウンスの定形表現を知る

出題される音源の多くは、おそらく誰もが行ったことのある場所で流れているものです。しかし、フランス語でのアナウンスを聞いた経験があるかないかは人それぞれでしょう。

そこで、いくつかの定形表現をあらかじめ学ぶことで、フランス語圏でよく使われるアナウンスのパターンを聞き取りやすくなります

―アナウンスの出だし
Votre attention, s’il vous plaît. / S’il vous plaît, …「お知らせです」「お聞きください」など聞き手の注意をひきつける表現
Mesdames et messieurs,… 「皆さま、…」などの呼びかけ
Bonjour, / Bonsoir, etc. 「こんにちは」「こんばんは」などの挨拶

ー命令形、命令表現
Merci + de + V. 「〜してください」ex. Merci de sortir de l’eau.(プールから出てください)
Venirの命令形 Venez + V. 「〜しに来てください」 ex. Venez découvrir le grand concert…(ぜひこの素晴らしいコンサートを見に来てください)

名詞構文に注意

アナウンスでは、端的に情報を伝えるため名詞構文がしばしば使われます。例えば以下のような表現がこれまでに出題されました。

Rendez-vous en ligne. 「インターネット上でお待ちしています」
日本での「続きはWEBで!」という言い回しに近いでしょうか? 命令形などを使わずに表現しています。

Une information originale: …「新情報」 / Vente exceptionnelle 「特売」
original / exceptionnelなどの形容詞をつかって、情報の価値の高さを強調しています。

Tout ça sans réservation !「すべて予約なし(で利用可能)」
前置詞sans「〜なしで」をつかい、気軽さ・入りやすさを強調しています。

いずれも「主語+動詞+補語」などの構文をつかわずに、文頭から名詞で始めたり、数語でコンパクトに表現しています。

過去問や問題集をつかって勉強するときは、トランスクリプション(読み上げられる原稿)を読み、効果的に使われている名詞が何を表しているのかを確認しましょう。

数字は必ずメモ

アナウンスにはしばしば時間や日時、場所にかんする数字が含まれます。

例えば飛行場でのアナウンスでは、飛行機の便名や発着時間、ゲートの番号など、イベントの宣伝では、日時や開催場所の情報(番地、部屋番号)などです。

これらの数字は設問で問われることが多いので、1回目に必ずメモしましょう。できれば単位も聞いておけば、文脈も推測しやすくなります!

 

まとめ

今回はDELF A2リスニング試験の内容と対策についてご紹介しました。

A2試験では、身近な場所で流れるアナウンスの聞き取りがメインに出題されます。典型的な表現や数字に注意しながら、対策を進めていきましょう!

最新情報を要チェック

本シリーズの過去問分析は、フランス国民教育省が公開している過去問(リンク)を参照しています。

時間制限や形式などは、今後も変更される可能性があります。受験生の方は最新の情報をチェックすることをお忘れなく。

次回の記事では、読解試験の内容と対策についてご紹介します。

執筆あお

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