今回はフランスで流行しているビオロジック製品 Les Produits Biologiquesについてお話しします。
ビオ製品は野菜から加工品まで
ここ数年、フランスで注目されているビオロジック製品。“Produits Bio”とも呼ばれ、日常生活ではC’est Bio.(セ・ビオ)と省略して言われているのをよく耳にします。
当てはまる日本語訳は「オーガニック(有機栽培によるもの)」。ビオ製品は野菜に始まり、現在では加工品などにも幅広く見られます。
ビオ食品の味は賛否両論?
ところで、ビオの食品が本当に美味しいかは判断が難しいところです。”ビオロジック”と謳っていても、迅速な流通ルートがなければ野菜など鮮度が命のものはアウトですよね。
最近は健康食ブームでもあり、フランスでも豆腐が「Tofu」と称され販売されていますが、”Bio”の名が社名に入っている某製造元のTofuはそれはもう想像を絶する味で、日本人としてはとても食べられたものではありません!これは本物の豆腐を知らないフランス人だから売れるのかもしれませんね。
もちろん美味しいビオロジックのTofuが手に入るビオ専門店も身近にあるので、そちらは常に我が家の食卓に登場しますが、やはり決めては味。健康に良くても、美味しくなければNGです。そして気になるのは、やはり価格。その商品が高いと感じるか否か、これは個人の価値観にも左右されますよね。
ワインもビオロジック
さて、ここからまたビオ製品の人気ぶりに話を戻して…ビオロジックの波はワインの世界にも浸透してきています。ビオワインが出始めた数年前は、大多数のフランス人同様、私もビオロジック・ワインなんて美味しいの?と特大クエスチョン・マークをつけて疑っていました。
が、ある日、ご縁があって地元のワイン醸造家の方から通訳の要請を受け、プロヴァンスワインの会と日本のワイン輸入業者さんのカンファレンスに立ち合わせていただきました。この醸造家の方が、ビオロジック・ワイン一筋でやっていきたいという、それはそれは高尚な志を持った方でした。
畑の面積はさほど大きくないのですが、それを逆に生かし、ワイン作りにおけるすべての工程を一人で行っているそうです。葡萄は有機栽培なので、やはり原価が高くなってしまうのは必然。ところが、日本におけるプロヴァンス・ワインのイメージは、「気軽に飲めて、安い」!
このイメージを打破するところから始めないといけないのですね。さらに特筆すべきは、日本の業者さんたちも、
◎プロヴァンス赤ワインの質の高さ
◎これほど美味しいビオロジック・ワインを目にするとは!
の2点で驚いていたことです。
これは地元フランス人とも共通している意見なのですが、10年前と比較して、確かにプロヴァンス・ワインの質は上がっているなぁと。私はブルゴーニュ・ワインをこよなく愛していますが、最近はプロヴァンス産でも「おっ」と目を見張るものがあり、地元ワインが頻繁に食卓に上ります。
あとがき
課題はまだまだあるものの、なんとなくプロヴァンス・ワインの将来を明るく感じさせてくれる出会いでした。フランスワインに興味ある方は開拓の余地ありますよ、プロヴァンスのビオロジックワイン、輸入してみませんか~?
執筆 Ayako