7・8月はフランス全土、ヨーロッパ各国から観光客が押し寄せるという南フランス。南フランスは5月から夏気分、ヘタをすると(?)10月まで暑い年もあるとのことで、周りの観光業に携わっていない南仏人の方々は特に人口密度の高くなる7・8月に避暑を兼ねて山へ行ったり、北上したりするそうです。ただし、お土産屋さんやホテル・飲食業は書き入れ時なのでその例ではありませんが。
ブルターニュのバカンスはおすすめ!
さて、私が訪れたのは Bretagne ブルターニュ地方 Finistère フィニステール県。フランス最北西端で、その名の由来は「大地が終わる場所」。なんだか素敵ですね。最大の楽しみは大西洋の荒波と潮の満ち引きです!
La marée :潮
La marée haute:満潮
La marée basse:干潮
引き潮時は船底が見る見るあらわになっていく様子が面白くて、飽きずに眺めていました。
地中海には潮の満ち引きがないとのことで、いつ行っても同じ表情でもの足りない・・・。ビーチも灼熱のため小麦色に焼く目的でもなければ、日射しの弱い朝2時間か夕涼みがてらのピクニックが主でした。
ブルターニュの海は真夏でも水温15度!海の色はまさしくアイスブルー。年間を通して水温は変わらないそうです。気温も20度を越えればいいほうですが、磯遊びが楽しいので一日いても飽きません。
常人なら泳ぎませんが、こんなふうに荒波にもまれる方たちももちろんいます。
ところでブルターニュ、日本人にとって住みやすい地なのでは?と想像する理由をいくつか。
フランスで唯一軟水である。
海藻産業が盛んで食用の海藻は主にここで水揚げ、加工されるそう。タラソテラピーが発祥した地でもあるとのこと。
ミストラル(※)のような強風がなく常に湿度があるので、もみじやイチョウなどのジャポニカ種の植物を頻繁に見つけられる。
※)南仏特有の北北西の風:この風が吹くことにより夏は涼しく、冬は極寒に。この風が人々をノイローゼにすることでも有名のようです。
フランスの硬水に困っている方、ぜひ訪れてみてください。滞在中はお肌もツルツル、髪もサラサラですよ。
これはブルターニュのビーチで大量に見かける Goémon ゴエモン。聞く度に「石川五右衛門?日本語が起源?」と思うので今回検索してみると。Le Bretonル・ブルトン(ブルターニュ語)の Goumon が語源だそう。正真正銘ブルトンでしたゴエモンは古くから肥料として利用され、湿度の高い気候も手伝い、ブルターニュの農業を盛んにしてきました。
上は最近日本でもお目にかかれる Galette bretonne ガレット・ブルトンヌ。そば粉のクレープはブルターニュの郷土料理です。
今回はじめて食べた Patatez パタテーズ。茹でたジャガイモ、トリップと野菜シイタケのあんかけです。(まさかシイタケに出会えるとは!)
そして偶然見つけた素敵なシャンブル・ドット。Chambre d’Hôte du Moulin du Coufon
滞在したお部屋がこちら。Boulangere
あとがき
夏のヴァカンスといえば南下するのが常なのか、ここ数年の南仏の物価高騰は尋常ではありません。ブルターニュは南仏と比べ食材の価格も半分、レストランも安いようです。スーパーのレジではうれしいサプライズ続きでした。
宿泊も然り。広さ・質・サービスを兼ね備え、キチネットまで付いて大人2人+子供1人で1泊92ユーロ、しかも朝食込み。この金額は日本でも、南仏でも考えられません。お姫様気分も味わえ、お勧めです。
執筆:Ayako