仏語学習者にとって、DELFやDALFに比べてちょっぴり親しみが薄い印象のTCF。
いったいどんなものなのでしょうか? 今回はそのシステム、問題構成や受け方についてご紹介します。
”フランス語のTOEIC”
TCFはDELF/DALFと同じく、フランス政府(CIEP 国際教育研究センター)の認定するディプロム(Diplôme)で、非ネイティヴのフランス語能力を証明する公式資格です。
フランス語圏での留学や就職を考えるに際し、たいへん役立つ資格といえます。感覚としては、DELFやDALFが英語でいう「英検」のようなものであるのに対し、TCFは「TOEIC」と考えるといいでしょう。
TCFは全員が同じ試験を受け、取れた点数だけのスコアが出るシステム。合否を決めるものではなく、スコアによってDELFと同じ規準でA1~C2までのいずれかのレベル認定を受けることになります。ただし、こちらはTOEICとちがい、出したスコアの有効期間は2年間です。
内容構成、受験のしくみなど
ベーシックなコースでは、筆記や口頭試験はなく、選択式の文章問題 écrit とリスニング orale のみ、全76問で、各分野699点満点、試験時間は1時間25分。オプションで筆記等も追加可能です。
紙の問題冊子で受ける従来の方法に加え、SO(Sur Ordinateur)といって、パソコン上で受ける方法もあります。こちらは、全く同じ内容ですがベーシックなコースで全91問、試験時間は2時間です。
試験会場は全国9都市にあり、各都市によって異なりますが、年に数回の試験が行われます。(東京で5回、大阪で4回など。)SOは東京・大阪のみでの実施となっています。
このほか、フランスの国立大学の一年次出願等に必要とされるTCF DAPというものがあります。
こちらは通常の76問1時間25分に加え、文書作成の補足試験を受けることになり、日本では年に一度、2月に全国3都市のみで実施されています。
申し込み方法など
TCFを受験するには、各試験センターへ直接出願します。通常のTCFは試験日の1ヶ月前まで、TCF SOの場合は10日前まで出願が可能です。試験日程、出願方法、受験料などは各試験センターによって異なりますので、よく確認しましょう。会場と時期によっては席が埋まってしまうこともあり、早めに申し込みするのがよさそうです。
いずれの試験も、正式な結果がくるのは約1ヶ月後。CIEPの発行する正式な証明書を受け取ります。こちらの受け取り方も、各試験センターによって異なります。
ただし、SOの場合はL’attestation provisionnele といって、結果速報みたいなものがその場でもらえます。大学への出願や就職先への提出などで、とにかく早く結果が必要!という人には、こちらがおすすめです。
まとめ
”フランス語版TOEIC”とも言うべき、公式実力認定試験TCF。次回は、じっさいに受けてみた印象をまとめた体験記をお送りします。
DELF/DALF日本オフィシャルサイト
Campus France日本オフィシャルサイト
執筆 Rana