はじめに
前回、フランスの学生寮などは電気・ガス代が家賃に含まれる事が多いけれど、賃貸はそういうケースは稀であると説明しました。電気が止められたら再開通に費用も日数もかかるので、転居先では即手続きが必要です。今回は転居先での電気の契約方法と必要な情報について説明します。
フランスでの電気使用開始までの流れ
入居先のアパートで電気がすでに使えても使えなくても、しなくてはいけない手続きは似ていますので合わせてご紹介します。
1.電力会社に連絡をする
電力会社に連絡をします。フランスでは日本と同様に自由に電力会社が選べます。どんな電力会社があるのかは次回詳しく説明します。また、日本語で電力会社と書きましたが、電気の供給の契約をする会社はフランス語でFournisseur électricité となります。Fournisseurとはサプライヤーやプロバイダーという意味です。日本語でいうならば電気小売り会社となります。
2.必要な情報を電力会社に伝える
次に、以下の情報を伝える必要がありますので準備しましょう。
- 住所
- 電話番号
- Eメールアドレス
- PDL(point de livraison)番号 :電気メーターに記載されている番号
- RIB(Le Relevé d’Identité Bancaire):銀行口座の詳細情報(含IBANコード)
- 入居時の電気メーターの数値
PDL:http://selectra.jp/fr/france-denki-keiyaku-pdlは固有の番号で、あなたの電気メーターを特定するのに必要です。また、フランスでは日本のように光熱費の支払いにクレジットカードは使用できません。支払は必ずフランスの銀行口座からの引き落としになりますので、銀行口座を必ず開設しておきましょう。(フランスでは銀行口座の開設時に電気代などの領収書を求めらことがありますが、なくても開設は可能です。)
また、銀行のカードや小切手は申し込みから1週間後以降にしか貰えませんが、今回必要なRIB番号はその場ですぐに教えてもらえます。それから、以前住んでいた人の名前を聞かれる場合もあります。大家さんや不動産会社で教えてもらえるようであれば、あらかじめ聞いておきましょう。
検針表や請求書は郵送されない!
以上の手続きが済めば、新居での電気の契約者はあなたになります。日本のように検針票がポストに届けられるということはありませんので注意してください。フランスでは光熱費の請求書も郵便かオンラインで発行されますので覚えておきましょう。
電気が止められていた場合は要注意!
引っ越し先で電気がつかなかったり、すでに電気が止められてしまっていた場合も電気小売り会社(fournisseur)に電話をします。一度切れた電気の開通にはだいたい5日かかります。何故こんなに日数を要するのかというと、開通には技術者を呼ぶ必要があるからです。
この技術者は電気小売り会社(fournisseur)の人間ではありません。フランスの配電事業を一手に担うENEDISという会社の技術者になります。どの会社と電気契約をしても、ENEDISが電気の開通作業やメーターの管理をすべて担当します。電気がすでに止まっている(電力メーターが止められている)場合、あなたの契約する電気小売り会社がENEDISに連絡を取ります。そして自宅に技術者を派遣し、電気開通の作業を行うのです。
フランスの引っ越しシーズン(8月後半から9月前半)ではない場合や、運が良ければ5日より早く来てもらえるかもしれません。しかし、とりあえず5日はかかると覚えておいたほうがいいでしょう。(もちろん、週末は作業してくれません!フランスなので。)
割増料金を払うと早く開通させてくれる
今住んでいるところから新しいアパートに引っ越しが必要な場合は、引っ越し日が分かり次第電力会社と契約することをおすすめします。ちなみに緊急の場合は割り増し料金で作業を行ってくれます。詳細は以下を参照してください。
電気の開始に必要な手数料
- - 電気使用開始手数料(電気がすでに使える場合):26.23ユーロ
- - 電気開通作業と使用開始手数料(電気が止まっていた場合。要5営業日):26.23ユーロ
- - 電気開通作業と使用開始手数料(24-48時間以内の作業):36.90ユーロ
- - 電気開通作業と使用開始手数料(当日の作業):127.62ユーロ
フランスでの電気使用開始のポイント
ちょっとややこしかったかもしれませんので、もう一度簡潔にまとめます。フランスでは新たにアパートに引っ越す場合、あなたの名前で電気の契約をする必要があります。契約の際には、あなたの家の住所、電話番号、Eメールアドレス、電気メーターに記載されているPDL(point de livraison)番号、そしてあなたの銀行口座のRIB(含IBANコード)が必要です。慌てないよう、電力会社に連絡をする前に事前に準備をしておきましょう。
また契約をするにあたっては、最初に使用開始手数料がかかります。いったん電気が切られてから開通までには通常5日かかります(技術者に電気の開通手続きをしてもらうため)。引っ越し日が分かったらすぐに電力会社(Fournisseur électricité)と契約を結びましょう。
次回は、フランスにはどんな電力会社(Fournisseur électricité)があるのかを詳しく説明します。
情報提供:電気・ガス料金比較:セレクトラ・ジャパン(http://selectra.jp/)