12月18日(金)、クリスマス休暇を目前にした16日、コロナ感染第二波真っ只中のフランスから日本に一時帰国をしました。各国の入国制限などで航空需要が激減する中、予想に反して混雑していたパリ=シャルル・ド・ゴール空港の様子をお届けします。
空港内、チェックインカウンターに長蛇の列?
今回利用した航空会社はANAです。ANAは通常パリ=シャルル・ド・ゴール空港のターミナル1から出発するのですが、今回はターミナル2Eに変更になっていました。
19時発でしたが、空港に早めに着いて長い時間待つ事による「感染リスク」を考え、いつもより若干遅めに家を出ました。17時10分に到着したところ…「あれっ、随分と人が多い」というのが第一印象です。
スーツケースを預けるためチェックインカウンターを目指して進みますが、手前にあるエール・フランスのチケット販売カウンターを通り過ぎた辺りからものすごい人です。
指定のカウンターエリアにたどり着くと、ほぼ全員が大きな荷物を持っているアフリカ行き旅客の長蛇の列でした。その長蛇の列を目の当たりにして、空港の混雑を甘く見ていたことを後悔しはじめながらキョロキョロしていますと、ANAの係員の女性が私を見つけて、カウンターへと案内してくれました。
「空港は意外と混んでるんですね?日本行きは今日のフライトは空いてたような気がしたのですが…」というと、「本日は50人ぐらいです」と教えてくれました。
ターミナル1が閉鎖、ターミナル2に詰め込み
他に待っている人がいないため、荷物のチェックインは2分ぐらいで終了しました。
係員の方によくよく伺うと、パリ空港公団が採算合わないからと「ターミナル1を閉鎖して全部ターミナル2に移行されたので、いろんな航空会社が詰め込まれた」との事でした。
しかも、毎日あったフライトが週2便になるなど、どこの航空会社も減便のため、行き先によっては、少ない便に人が殺到しているのかもしれません。
ちなみに、日替わりでカウンターの場所が変わるようです。
1日20万人がたったの2万人に
世界の空港利用客ランキングで2018年に10位のパリ=シャルル・ド・ゴール空港の利用客は、年間7200万人を超え、1日あたり約20万人が利用していましたが、このコロナ禍で現在10分の1に激減しています。
「ソーシャルディスタンス」はどこへ?
チェックインを終え、さっさとゲートに入ろうと出国審査に並びます。ものすごく列が長い訳ではありませんが…、最後に空港を利用した1年前となんら変わらない光景です。1年前と違うのは皆マスクをしていて、並んでいるアジア人の中には「防護服」を着ている人が何人もいました。結局、約30分ほど並びました。
なるべく前の人と距離を開けようとして並んでいると、後ろの女性が荷物でグイグイ押して来ます。更に私の前にいる若者たちに「早く進め」と言わんばかりに何か叫んでいます。乗り物に乗る時というのは時間制限があるせいか何かとせっかちになりがちですが、「ソーシャルディスタンス」はあまり考えられていないようです。
お隣のEU圏の人たちの列を見ると、フランス人の行ける国が少ないせいか人がいつもよりさらに少なく、こちらでも一応申し訳程度に間隔を空けて立っています。
ド・ゴール空港、《安全性》のアピール中だが
コロナ禍の今では、お店や公共の施設などあちこちで順番待ちの線が床に引いてあるのが当たり前になっていますが、今回利用したパリ=シャルル・ド・ゴール空港にはなぜかありませんでした。人が多すぎて立つ場所がなくなるからでしょうか?
パリの空港も必死で空港や機内での感染を恐れる利用者に「安全性」のアピールをしていると報道されていますが…。手荷物検査も係員がマスクをしているぐらいで、以前と変わらず混雑していました。
やっぱりガラガラ、免税店全開も客まばら
入国審査を済ませて出発ターミナル内に入ると、飲食するところが閉鎖になっている以外、ブランドショップ、免税店などが開いていました。ただ観光客不在で利用客のほとんどがフランス在住者のせいか、店はどこもガラガラです。
空港到着から約1時間後、ようやく出発ゲートにたどり着くと、「あの混雑はなんだったんだろう?」と拍子抜けするぐらい閑散としていました。
唯一いつもと違ったのは、優先搭乗が無くなり、「密を避けるため後部席から順に搭乗してください」と言うことでした。
搭乗は数分で終わりました。
機内の方が安心かも?
機内の座席は「1列おきに一人」という状態でした。お子さま連れは少なく、多くの方が一人旅。クリスマス休暇が始まるちょっと前という時期的なものか、比較的若い方が多かったように見受けられました。
座席の前スクリーンで、機内の空気が3分毎に入れ替わる空調システムが紹介されていました。
執筆:マダム・カトウ