9日(火)、エリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)国務大臣・環境連帯移行大臣付交通担当大臣(Ministre auprès du ministre d’État, ministre de la Transition écologique et solidaire, chargée des Transpor)は、コルシカ島および海外県行きと、乗継便を除くすべてのフランス国内から出発する航空便の航空券に対し、2020年から1.50ユーロ(およそ183円/1ユーロ:122円計算)から18ユーロ(およそ2,200円)の環境税を課す方針を表明しました。
フランス発のすべての航空券に課税
今回の措置によって、新たに課税の対象となるのは、フランス国内から出発する国内線、EU路線そして国際線の、すべての便の航空券です。ただし、移動に飛行機の利用が余儀なくされるコルシカ島(Corse)や、グアドループ(Guadeloupe)やレユニオン(Réunion)といった海外県、海外領土は除外されています。また、フランスを経由する乗継便は非課税です。
第二次環境保全評議会で決定されたこの措置は、来年2020年からすべての航空会社の航空券に課税されます。
行き先、クラスごとに加税額が違う
今回の課税措置はフランス国内から出発する便のみに課せられ、到着便は対象外です。
国内線、およびEU路線のエコノミークラスは1.50ユーロ、ビジネスクラスは9ユーロ(およそ1,100円)が課税されます。また、EU以外の国際線のエコノミークラスは3ユーロ(およそ366円)、ビジネスクラスは18ユーロが課税されます。
税収は環境負荷の少ない交通へ
エリザベット・ボルヌ大臣によると、今回の環境税導入で得られる税収は1億8200万ユーロ(およそ222億1000万円)と予想されていて、鉄道を含むより環境に優しい交通インフラの整備に使われるとのことです。
日本も今年の1月から、快適な旅行の為の環境整備などを目的とした、一人一律1,000円が課税される「出国税」が導入されましたが、今回のフランスの環境税は、国内線を含むすべての路線の航空券に課税されるため、より課税対象が多いのが特徴です。
空の旅が身近になった現在、航空券に税金が上乗せされるのは世界の流れなのかもしれません。
執筆:Daisuke