3月20日は「世界フランス語の日」フランス語に未来はあるのか?

2018.03.20

3月20日は「世界フランス語の日 ( la journée internationale de la francophonie ) 」です。23回目を迎えたこの日前後から月末にかけ、フランス及び世界各国でフランス語を使ったさまざまなイベントが行われます。

 

世界でフランス語を普及しよう

Francophonie とは、厳密には「フランス語圏」という意味で、「世界フランス語の日」は国際フランス語圏機構OIF(Organisation Internationale de la Francophonie)によってつくられました。

ではなぜ3月20日というと、現在のオーガナイザーの前身の文化技術協力事務所(L’Agence de Coopération Culturelle et Technique)が1970年3月20日にニジェールの首都ニアメにて発足したからです。本来の目的は、旧フランス領アフリカの国々の平和的発展です。

国際フランス語圏機構のミッションの一つに、フランス語のプロモーションとフランス語人口の調査分析があります。4年に一度行われるこの調査でフランス語人口の推移がわかります。機構によると1990年時点で1億3千5百万人でしたが、直近2014年の調査では、実に2億7千4百万人と倍増しています。

世界のフランス語人口 ランキング

1位 アフリカ大陸 1億5千万人
2位 ヨーロッパ大陸 1億人
3位 アメリカ大陸およびカリブの島々 2千万人
4位 中東およびアジア 250万人
5位 オセアニア 100万人

世界の言語人口 ランキング

1位 中国語 8億4千8百万人
2位 スペイン語 4億千4百万人
3位 英語 3億3千5百万人
4位 アラビア語 3億人
5位 フランス語 2億7千4百万人
(出典:OIF)

さらに、機構によるとフランス語で学習している人の数は、英語についで2位(年間約125万人)。その中でフランス語を外国語として学習している人は約50万人とのことです。

 

50年間でフランス語彙が2万語増

アカデミーフランセーズのフランス語の辞書(la dictionnaire de l’Académie française)の語彙は、この50年間で4万語から6万語に増えたと公表されています。どの言語でもいわれているように、特にテクノロジーの発展が語彙の増加に大きく寄与しています。それに伴う新しい経済や社会現象なども含まれます。たとえば、「グローバル化」(globalisation)という単語は50年前にはなかったと思われます。

 

法律でフランス語を守る

フランスにはなんと「ラジオで流す曲の40%以上がフランス語であること」、という法律があり、1996年から施行されています。国営のラジオ局のみならず、民間のラジオ局にまで及ぶこの法律は、一部のラジオ局の反発をくらい、違反している局もでています。フランス語文化を守る目的でできたこの法律は、2016年にも議論されていますが、基本現行のままとなっています。また、駅のポスターなどの広告、看板も基本はフランス語外国語の場合は翻訳を必ずつけることが義務とされています。

その一方で、パリの街でも英語がずいぶん通じるようになりました。また英語の看板も増え、英語で歌うフランス人の歌手など、SNS、特にYouTubeなどで世界に発信していくために、英語で表現するフランス人が増えていることも見逃せない事実です。

 

フランス語に未来はあるか?

世界フランス語の日の今日は、いろんなメディアで使われる最近の表現が話題になっています。

たとえば、Zappingという単語。 英語のzap「早く行く」という単語からきていますが、「今週の主要ニュースを駆け足で」Zapping de la semaineといったタイトルで、ここ数年つかわれています。

Le Best Ofもよく見かけます。マクドナルドのメニューに同名のセットがありますが、そこから来ているのかもしれません。こちらも「今週最も話題になったニュース」Le Best Of de la semaineといった 使い方をされています。また、つい最近のものではPunch line。ジョークの「落ち」という意味の英語ですが、「フランスも変わったなー」とフランスに長くいる日本人としては感心してしまいます。

 

最後に

マクロン大統領は「フランス語の普及はグローバル化社会において非常に重要な要素である」と発言していますが、そのグローバル化する今のフランスでフランス語を守り続けるのは簡単ではなさそうです。

フランス国際フランス語圏機構はこういった状況下でも、2050年には世界で2番目に話されている言語になると予想しています。 これはひとえにアフリカの人口増を見据えたものです。

執筆:マダム・カトウ

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