Bonjour à tous,アンサンブル講師Ayakoです。先日のレッスンでのこと。ちょっとした表現の意味が分からないと生徒さんからご質問がありました。それはフランス語らしい表現で起源を調べたらとても面白いので、そのことについてお話したいと思います。
個別に意味が分かっても
ちょっとした表現、« Oh, tu es trop chou ! »の日本語訳がわからない、と中級の生徒さん。
Oh:感嘆詞「ああ、まぁ」
tu:主語人称代名詞「きみ」
es:動詞être「~である、いる」
trop:副詞「~過ぎる」
chou:名詞「キャベツ」
確かにそれぞれの意味が分かっても、おかしな日本語になるのは必須ですね。これらを直訳したら「ああ、きみはキャベツ過ぎるよ」でしょうか。
« chou »のもう一つの意味
ここで知らなければならいのが « chou »のもう一つの意味です。親愛を抱く相手に対し使われる表現で、呼びかけとして « Mon chou »とすれば「私のかわいい人」、前述の文章であれば形容詞として、「ああ、きみはなんてかわいいんだ」と訳します。
似たような表現に、« mon chouchou », « ma chouchoute » 「私のお気に入りの人」、« C’est chouette ! » 「すてきだわ」も挙げられます。(…余談ながら une chouette には「フクロウ」の意味もあるので注意です…)
一体なぜ「キャベツ」が「かわいい」のか
しかし一体なぜ「キャベツ」が「かわいい」のでしょうか?
そこで思い出したのが「男の子はキャベツから、女の子はバラから生まれた」説です。日本では聞いたことないですよね。フランスでは小さい子供から「赤ちゃんはどこから生まれるの?」と聞かれた時の苦肉の策としてこのように答えたりします。
その説の理由とは
理由を調べてみたら2説ありました。
1.古代からキャベツは葉の多さから多産の象徴とされ、中世期にはキャベツのスープは新郎新婦に捧げられていた代表的な一品となった。
2.ギリシャ神話に登場する女性神が女の子3人、男の子1人の四つ子を産み、女の子をバラの花びらで包み、男の子をキャベツの葉で包んだ。
ことが由来しているのでは、とのこと。
日本でも最近話題のニューボーンフォト(新生児写真)。フランスでは10年以上前から見られますが、女の子用にはバラ、男の子用にキャベツのアイテムを取り入れているものがあるのはそのためですね♪
ということで文中に« chou »を見つけたら、「キャベツ」か「何かかわいいもの」と思っておいたほうが良さそうです。
執筆 アンサンブル講師Ayako