2026年2月24日(火)、昨年1年間にフランスを訪問した観光客は1億200万人、2024年から200万人増え、過去最高記録を更新したことが明らかになりました。フランスは観光客数世界一位の座を維持したものの、二位のスペインも9,700万人とその差が縮まってきました。一方、肝心の観光収入ではすでにスペインが上回っており、フランスの観光業界は転換期を迎え、競争力強化に向けイノベーションを探っています。
観光収入、フランス9%増もスペインが世界一
フランス政府系観光振興局(ATOUT France)の発表によると、昨年のフランスへの訪問客は1億200万人と2024年から2%、200万人増え、過去最高記録を更新しました。観光収入は775憶ユーロ(約14兆2,391億円/1ユーロ=約184円)、前年の710億ユーロ(約13兆442億円)から約9%増えています。
国籍で見ると、一位はドイツ(+9%)、次にイタリア、スペイン、ベルギー、オランダと続きます。
欧州圏外では、アメリカからの観光客が前年比で17%増えています。アジアから、特に中国からの観光客は伸び続けていますが、コロナ禍以前(2019年)の水準には至っていません。
訪問客数では世界2位のスペインですが、観光収入では1,350億ユーロ(約24兆8000億円)とフランスの倍近くの額で世界一を誇っています。
世界一をめぐり熾烈な競争、観光資源のさらなる開拓
地元メディアによると、海外からの観光誘致を担うATOUT FRANCE(アトゥ・フランス)は、スペインが発表する観光収入額が「水増しされている」とみています。事実かどうかはさておき、このことからも両国の世界一の座の争いは激しくなっていることがうかがえます。
フランス観光担当政務次官セルジュ・パパン(Serge Papin)は、ワイン産地でのアグリツーリズム、ワイン観光にさらに力をいれるとともに、有名な観光地の陰にかくれ観光客にその魅力をアピールできていない内陸部への観光誘致に注力すると述べています。
さらなる伸びに課題:宿泊施設、人手不足
フランスが今後さらに多くの観光客を受け入れるには、観光資源の新たな開拓に加え、受け入れ態勢も重要になります。
とりわけ宿泊設備の整備は、質および量という両方の面で大きな課題となっています。フランスの宿泊施設は、特に山岳地や海岸沿いのビーチリゾートなどで老朽化が激しくなっているのです。
スペインの宿泊キャパ、フランスより40%高く
この点で最大のライバルのスペインは大きな優位性を有しています。
スペインの宿泊施設の収容能力はフランスを40%も上回っており、依然として集客拡大の余地があるのです。
ビーチリゾートでの長期滞在型のツーリズムが主流のスペインでは、海岸沿いに大型ホテルが立ち並んでいます。観光客一人の滞在期間が長くなればなるほど、当然地元に落としていくお金も増えるわけです。
人出不足、季節労働者の受け入れに課題
フランスでは観光業界の人出不足も大きな課題の一つで、現在も61,000人分の求人が埋まっていません。
とりわけ季節性の高い観光地、山岳地やビーチリゾートでは、季節労働者の雇用がカギを握っています。
しかしながら、観光地の住居をAirbnbなどの民泊にして高く観光客に貸す大家があとを絶たず、その結果、労働者向けの手ごろな住宅が不足しています。
出典:FranceInfo、フランス政府公式ページ
執筆:マダム・カトウ












