普段は知ることのできない、ガイドブックにはあまり載っていない、フランスの現地の様子をお届けする「フランス街角ぶらり旅」シリーズ第3段。今回は、再開発によって今最も注目を集めているパリ中心地の「Forum des Halles」をご紹介します。
Forum des Halles とは?
劇的に変貌を遂げているこちらの施設、概要を確認しておきましょう。
(画像引用:Google map )
上記の地図の赤い四角で囲まれた部分が、Les Hallesと呼ばれる場所。レザールと表記されているものがありますが、発音はレアル、もしくはレアールです。この中のさらに中心部分に、この「Forum des Halles」はあります。
Métroやパリ郊外を結ぶ電車RERの駅と複合商業施設が一体化した、巨大な地下商業施設です。お洒落なブティックはもちろん、50mプールやジム、ビリヤード場なども入居していて、パリ市民にとっての移動・ショッピングの中心地的役割を担っています。
古くから商業の中心地
この場所は12世紀に中央市場(Les Halles)として誕生して以来、古くからパリの商業の中心地でした。1971年にLes Hallesは郊外のランジスに移転、その跡地が1979年にForum des Hallesとして生まれ変わり、現在の前の建物が完成しました。
建物の大半は地下です。地上部分は非常に美しく独創的で、曲線やガラスを多く使用した宇宙船のような形をしていました。庭園も兼ね備えていて、市民の憩いの場となっていました(そのころの写真はこちら)。
新しく生まれ変わりました
その建物も老朽化が激しく、また古い建物ゆえに利便性も悪く、治安の悪化も懸念されていました。そこで2007年に再開発プロジェクトが発足し、Patrick Berger とJacques Anziutti という二人の建設家によって、いよいよ大きく生まれ変わったのです。
Forum des Hallesの外観。あまりにも巨大な建物なので、写真に納まりきりません!
「林冠(La Canopée)」 と呼ばれる理由は?
この建物は「La Canopée du Forum des Halles」と名付けられています。la canopéeとは日本語で「林冠」。聞きなれない言葉ですが、森林などで高木の枝や葉が茂る部分のことです。
この大きな屋根が森林の枝葉の部分を表しています。確かに色合いも木造のようになっています。
柔らかい日差しと心地よい風
完全な屋根ではなく、森の枝葉のように隙間が空いているので、柔らかい日差しと心地よい風が吹き抜けます。
以前と同じように基本的には地下建造物で、下へ下へと空間が広がっています。この大きな「林冠」、一番下からだとものすごい高さです。
雨の日になると…
さらに非常に特徴的なのが、この竜の背骨のような大きな構造体。「林冠」の中心をまっすぐ貫いています。これが何かというと…雨の日にその意味が分かります。
ドバーーっと水が吹き出しています。この背骨のような構造体は大きな雨樋の役目を果たしていて、「林冠」に降った雨がすべてこの中心の背骨部分に集まり、最後は滝のように降り注ぎます。
決して建築ミスで水が噴き出しているわけではありません。下の部分は階段ではなく、きちんと水を処理できるようになっているんですよ!
ちなみに、完全に覆われているわけではないので、激しく雨が降ると下記の写真のようにあちこちが濡れます。これも、森林のイメージにぴったりですね。
最新のファッションや流行を感じられる場所
まだ未完成の状態ではありますが、すでに多くのパリっ子でにぎわっています。この再開発によって人の流れも少し変わり、以前に比べてずいぶんと明るい雰囲気になりました。
これに合わせて、地下のRERの駅も現在リニューアル工事中です。案内表示なども一新され旅行者にとってより優しい駅になります。
Forum des Hallesにはとてもお洒落なブティックやカフェも入っていて、最新のファッションやパリっ子の流行などを感じることのできる施設。ぜひ次のパリ滞在の際に訪れたい、とっておきの場所ですね!
施設情報
・アクセス
RER :A線、B線、D線 Châtelet-Les Halles駅
Métro : 1, 4, 7, 11, 14 番線 Châtelet もしくはLes Halles駅
http://forumdeshalles.com/
・営業日時
月~土曜日:10時~20時 日曜日:11時~19時
執筆 Daisuke