フランス語上級者が陥りやすい落とし穴〈2〉

2018.05.11

ストレートに伝える

 前回の記事では、初級レベルの皆さんより中級・上級レベルの皆さんの方がフランス人とのトラブルにイライラしやすいというお話をしました。フランス語レベルが上がると自分への批判やネガティブな表現などが理解できるようになるためです。

 

フランス人とのトラブルにイライラする日本人の気持ち

壁に伏せる
前回の記事の復習もかねて、フランス人とトラブルになったときの日本人の反応を語学レベル別に見てみましょう。フランス語上級者がいったい何にイライラしてしまうのかを考えながら読んでみてください。

初級レベル

フランス人とトラブルになったけれど、何が問題なのか分からない。フランス語がよくできる人に助けてもらわなければ……。

中級レベル

フランス人とトラブルになってしまった。相手は私に問題があるって言ってるけど、こちらにも正当な言い分がある。でもフランス語でどう伝えれば(対応すれば)いいのか分からない。

上級レベル

フランス人とトラブルになってしまった。相手の言うことは実際と違うから、自分の言い分をフランス語で説明し、こうしてほしいと要望を伝えた。にもかかわらず相手のフランス人はきちんと対応してくれない自分の話をもっとまともに聞いてほしい!

 

フランス語上級者が何にイライラしているかお分かりになったでしょうか。

フランス語上級者はネイティブのように相手の言い分を理解し、自分の言い分も相手に伝えることができます。それでも「自分がお願いしている通りにフランス人は動いてくれない」「フランス人が自分の話をまともに聞いてくれない」という場面があるということです。つまりフランス語レベルが上がる=フランス人と上手くコミュニケーションができる」ではないということです。

 

フランス語上級者がフランス人とのコミュニケーションに失敗する理由

私が語学学校で働いていたとき、フランス人とコミュニケーションがうまくいかないフランス語上級者のケースを見ていて感じたことがあります。それは、うまくいかない日本人生徒さんはフランス流のやり方というものを理解していない場合が多いということです。

人とのコミュニケーションは言葉のやりとりだけで成り立つものではありません。日本的な思考回路や日本人のやり方をそのままフランス語に置き換えるだけではフランス人に受け入れてもらえないことが多いのです。

 

郷に入りては郷に従え

こう考えてみると分かりやすいでしょう。

日本には日本の常識やマナーがあります。たとえばお店で、欲しい商品がどこにあるかわからない場合、日本人はいきなり店員に質問し始めたり、店員に「ねぇキミ」などと呼びかけたりすることはありませんよね。まずは「スミマセン」と声をかけ、探している商品を取り扱っているか確認してから陳列棚の場所を尋ねるなどが一般的です。このような日本流のマナーを無視して不躾な態度をとる客に対しては、たとえそれが外国人であっても「ちょっと変わった客だから適当にやり過ごしてしまおう」という気分になってしまうのも理解できる話ではないでしょうか。

同様に、フランスにもフランスの流儀というものがあります。これを身につけていない外国人はフランス人と衝突することが多くなってしまいます。

 

せっかくフランス語をがんばって勉強するなら、フランス人と楽しくコミュニケーションができるようになりたいものですよね?そのためにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

次回のシリーズ最終回では、フランス人とうまくコミュニケーションするためのコツについてお話します。

おたのしみに!

執筆:マナミ

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