ワインを飲まない人でも「ドン・ペリニヨン」「ロマネ・コンティ」の名前を一度は聞いたことがあることでしょう。これらはいずれもフランス産のワインです。今回は、なぜフランスワインは有名なのか?その理由をお話ししましょう。
贅沢品とされた歴史的な背景
1つ目には時代を通して「贅沢品」として扱われてきたことが挙げられます。ブルゴーニュワインはブルゴーニュ公国時代に外交の手段や権威の象徴としており、またボルドーワインはイギリス領時代に高級品としてイギリスに輸出されていました。
1855年のパリ万博の際には、消費者へのPRにとボルドーワインの格付けがなされています。これらが現在の「フランスワインは高級」のイメージを作ったと言えます。
産地を守る法整備
2つ目に、産地と品質を守るための法を整備してきたことが挙げられます。フランスで生産されるワインは全てフランスのワイン法によって規制され、守られています。
1935年には原産地統制名称法 Appellation d’Origine Controlee (A.O.C.) が制定されています。この法律はフランスワインを理解する上で重要だといえるでしょう。内容は読んで字のごとく、産地の名称を管理するための法律です。
19世紀の後半に他の産地のものとブレンドしたにも関わらず「ボルドー」や「ブルゴーニュ」と名づけられたワインが横行した問題がありました。それらを解決するために制定されたのです。
偽物ワインを横行させない法律
例えば、シャンパーニュと名乗るために使ってよいブドウ品種、栽培方法や醸造方法などは事細かく規定されています。言い換えるとシャンパーニュ地方でどんなに高品質のワインを造ったとしても、規定に則っていなければシャンパーニュとは名乗れないのです。
なぜそこまで産地にこだわるかというと、ワインはブドウ100%からできるものだからです。ワインはブドウが育った土地が重要であり、その土地の要素=そのワインの品質、個性、価値そのものと言えるでしょう。
本物ワインの証とは?
ちなみにA.O.C.に基づいて造られた証として、ワインラベルにその記載があります。例えばボルドーであればAppellation Bordeaux Contrôlée (アペラシオン・ボルドー・コントローレ)とあります。ぜひ見つけてみてくださいね!
最後に
歴史を作り、法に守られてきたフランスワイン。そもそもはフランスワインを素晴らしいものとして認め、守らなければ!となってしまうくらい人々を魅了するものであったことを考えると、また興味深いものですね。
執筆 Eriko