フランス人と日本人のクルマ選びには大きな考え方の違いがあるようです。車をステータスとして購入する方も多いですが、実際何を重視して購入することがベストなのでしょうか?今回は、後悔しないフランス流クルマ選びについてお話ししていきます。
自分にとって「良いもの」を選ぶ基準
フランス人は自分のスタイルにぴったり合う「良いもの」を選ぶのが得意です。これだという欲しいものがあってもすぐに買わず、十分時間をかけたっぷり悩んでから購入を決めます。
基本的には「無駄なものが増えても部屋が狭くなるだけ。たまにしか使わないものはなくても困らない。手元に置くのは、長く使えていつも使うものだけで良い。」という精神に基づき買い物を実施。ただのケチ?いやいや、彼らのお買い物精神には、学ぶことが沢山あります。
フランス人がクルマ選びで最初にすること
そして、そんなお買い物精神はもちろんクルマ選びにも反映しており、彼らのクルマ選びは実に賢く、妥協を許しません。フランス人のクルマを購入は、こんな具合で展開します。現在の愛車に様々な問題が発生し、買い替えを考えるようになったら、まずは家族や友人に相談。みんなで一緒になって何が良いか考えます。
車選びに便利!クルマ情報番組の内容は?
フランスでは24時間、どこかのチャンネルでクルマ番組が放映されています。TVですぐに無料でクルマ情報が入手できるのです。人気番組はゴールデンタイムの放映が多く、女優や俳優、元F1ドライバーが出演します。日本のバラエティーTVのように、観客席の目の前で番組が展開します。このクルマ番組が、また凄いのです。
非常に手の込んだ面白いものが多く、テンポも良いので見ていて飽きません。レース情報からスタートし、新車情報、教習所失敗集などなどと進むのですが(日本とはちょっと違いますよね?)
この前はミスフランス4人でサーキットを貸切り、耐久レースに参戦するドキュメント番組もありました。(最後はアクセルとブレーキを間違えて踏んで、クラッシュして終了)新車情報にしても、F1ドライバーのインプレッションがあったと思ったら、OL4人のインプレッションがあったり、面白おかしく生の声を伝えてくれます。
クルマ選びに有効!乗ってみた感想が聞ける
F1ドライバーのコメントはもちろん興味深いですが、実際購入を検討する時、親近感が沸くのはOLのコメントの方。OL達の「なんかこの車ハンドルが軽すぎない?」、「エンジン音もちょっと大きいわね」といったトークは、私たちのクルマ選びに置き換えることが出来、すごく参考になります。
そしてフランスのクルマ情報はテレビにとどまらず、駅のキオスクに行くけば車雑誌は数え切れないほどあり、またそのほとんどが安価の週刊誌ですので、気軽に購入できるのです。
日本でクルマの情報番組はあまりメジャーではありませんが、地方局やBSで放送されています。もしお目当てのクルマがあったら、ぜひチェックしてみるのもいいでしょう。
ディーラーへ行く前に準備することは?
さて、欲しいクルマの候補が絞れてきたら、テレビ・雑誌・インターネットで、そのクルマのスペックや燃費を徹底的に調べて、これだと思ったらディーラーに行ってカタログを貰い、試乗をします。その際徹底的に営業マンに質問攻撃を浴びせ、不明点を解決。その後納得すれば、見積を依頼。その結果予算が足りなければ、1つ前のモデルの中古購入を検討する――こんな具合です。
フランスでコンパクトカーが人気の理由
フランスではコンパクトカーに乗る人が多いです。その理由は、以前は馬力を基準に課税が行われていたことの名残りや、慢性的な駐車場不足も要因であります。しかし、基本はこれです!
「一人で乗るのがメインなら、小型車で十分。たまのバカンスのために5人乗りの中型車や、大きなミニバンは必要ない。」
重要なのはいかに無駄なく、経済的に、毎日を快適に過ごせるかがPOINTです。「たまに使うから。」のために、「毎日の犠牲」は必要ないという、実に合理的な考え方が根底にあるのです。
失敗しがちなクルマ選びとは
日本にいたとき私の友人は、ほとんど試乗せず(してもすごく短い)、デザインと価格と目的が理想に近いことを購入の決め手とするパターンが圧倒的でした。「クルマの運転はつまらない」というドライバーのほとんどが、クルマ選びの段階で間違っています。世界中に様々な車がありますが、あなたの生活をバラ色に変える素晴らしいクルマは十分な下調べがなければ出逢うことが出来ません。
最後に
クルマの購入考えている方は、ちょこっと「フランス流クルマ購入術」をご参考になさってみてはいかがでしょう?視点を変えてみると、意外と面白いクルマに出会えるかもしれませんよ。
執筆 Miki