2026年2月27日(金)、今年のパリ最優秀バゲット・トラディション賞の選考が26日に行われ、14区のパン屋「フーニル・ディド」(”Fournil Didot”)のパン職人シタムパラッピッライ・ジェガティーパン(Sithamparappillai Jegatheepan)氏がグランプリに選ばれました。
1年間、フランス大統領官邸御用達のバゲットに
パリ市とパリ圏パン・ケーキ屋連盟(Syndicat des Boulangers-Pâtissiers du Grand Paris)が主催するパリ・バゲット大賞は今年で第33回目を迎え、143人のパン職人が焼き立てのバゲットをエントリーしました。
パリ市長助役で商工業担当のニコラ・ボネ=ウラルジ(Nicolas Bonnet-Oulaldj)氏、パン業界専門家と、20minutes紙のジャーナリスト一名、そして抽選で選ばれたパリ市民で構成された審査委員会のメンバーは、バゲットを大きさや塩加減はもとより、「見た目、味、焼き加減、クラム(内側の白い部分)、気泡状態」といった側面から評価します。
今年のグランプリ、パリ14区の「フーニル・ディド」(”Fournil Didot”)は、今後1年間、フランス大統領官邸のエリゼ宮(l’Élysée)に納品する権利を得るとともに、賞金4000ユーロ(約736,000円/1ユーロ=約184円)を手にしました。
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惜しくもグランプリを逃した上位のパン屋:
2位 パリ12区「BSナシオン」(BS Nation:24 Place de la Nation, 75012 Paris)
3位 パリ12区「レクラン・グルマン」(L’Ecrin Gourmand:15 Av. du Dr Arnold Netter, 75012 Paris)
4位 パリ15区「ラ・メゾン・ダゲ」(la Maison Daguet:75 Rue de la Convention, 75015 Paris)
5位 パリ7区「ブーランジュリー・ローランB」(boulangerie Laurent B : 112 r St Dominique, 75007 Paris)
さすがパンの国フランス、1993年9月「パン政令」
日本のお米と同じく、フランス人の主食であるパン(pain)、フランス語でただ「パン」(du pain)というとバゲットを指す事がほとんどです。
それほど重要なバゲットの中でも「トラディション」と呼ばれるものは、正式名称(baguette tradition française)の通り、フランスの伝統的製法にのっとったものであることが1993年の政令で定められています。
使用できる材料は小麦、水、塩、パン酵母(または天然酵母)の4つのみ。乳化剤、防腐剤などの添加物の使用は禁止されています。
製造方法の規定、冷凍の生地をその場で焼くことはもちろんのこと、あまった生地を冷凍することも禁じられています。
この法律の目的は、フランスのパン職人が長年用いてきた職人技を守ることにありました。当時、生産工程の標準化や、パン製造における工業的手法の導入に対して、パン職人や消費者の間で懸念が高まっていたのです。
そのため、政令の第1条で「自家製パン」(パン・フェ・メゾン:pain fait maison)と呼ぶには、パンを販売する場所でパンをこね、成形し、焼き上げること、という明確な定義を示しています。
つまり、バゲット・トラディションを買えば、添加物なし、冷凍ではなく職人がその場でこねて焼いたものであることが保証されるわけです。
毎年グランプリをとったパン屋には、興味津々のパリジャンやパリジェンヌのほか、観光客が押し寄せてきます。
執筆:マダム・カトウ
出典:20minutes, le Parisien












