はじめましてゆきと申します。私が初めてフランスの地を踏んだのは1980年代。思えば長い付き合いとなりました。言語を分析、分類、時には分解し、その機能とメカニズムを明らかにしていく学問=「言語学」に魅せられて、その対象言語としてのフランス語に関わったのがすべての始まりです。
フランスで研究を続けるうち、職を得、その後、縁あって家庭をも築くこととなりました。今は昔。まだフランスフランを使っていた頃のことです。
その後、文化も価値観も異なる国々に移り住んだのち、再びフランスへ戻ってまいりました。十三年ぶりのフランスは、相も変らぬ部分もあるものの、意外な変化を感じる点もあり、なかなか新鮮な気分で毎日を過ごしています。こんな私が見るフランスのさまざまな表情を、いろいろな角度から捉え、綴っていきたいと思っています。
この連載を通して、私の日々の発見を皆さんと分かち合えることができれば、それ以上に嬉しいことはありません。このような素晴らしい機会を与えてくださったEnsembleさん、この場を借りてお礼を申し上げます。
執筆 ゆき