世界中には1,000種類以上のワイン用ブドウ品種があると言われていますが、実際に使用する主なブドウは限られています。今回はその中でもフランスで栽培され、主に使用される赤ワイン用のブドウ3品種を挙げてご紹介します。
代表的なブドウ3品種とワイン
ブドウは品種によって果実の大きさや果皮の色、厚さに違いがあります。また果実に含まれるタンニンや酸味は、ワインの味の仕上がりに大きな影響を与えます。3つの代表的なブドウ品種はワインにどのような味の違いをもたらすのでしょうか?
カベルネ ソーヴィニヨン
カベルネ ソーヴィニヨンは世界中で人気者のブドウ品種です。ワインに興味をもった人であれば一度は聞いたことがあるブドウ品種かもしれません。
◆特徴◆
果実は小さめで果皮の色は濃く、フルボディで骨格のしっかりとしたワインに仕上がります。タンニンの酸味が豊かなので長期熟成に耐えうるワインを生み出すこともあります。色は赤紫色を呈し、カシスやブルーベリー、ピーマンなどの野菜の香りがします。
タンニンが強いため、柔らかさを持たすためにメルローやカベルネ フランとブレンドされることが多いです。
◆主な産地◆
さまざまな土壌に適応でき、世界中で栽培されています。そのいかにも赤ワインらしい飲み応えが人気を得ています。主な産地はオーストラリア、チリ、アメリカが挙げられます。近年では古くからのワイン産地であるイタリアやスペインでも多く栽培されています。
フランスではボルドー地方と南西地方が主要な産地です。またラングドック ルーション地方でも優れたヴァラエタルワイン(ラベルにブドウ品種を記して出荷されるワイン)が造られています。
◆購入するならこの銘柄◆
フランス⇒ ボルドー(Bordeaux)、ブドウ品種がラベルに書かれたもの
オーストラリア、チリ、アメリカ⇒ ブドウ品種がラベルに書かれたもの
ピノ ノワール
ピノ ノワールはカベルネ ソーヴィニヨンに並んでよく知られたブドウ品種です。気難しい性格をもつと言われ、土壌を選ぶ繊細なブドウ品種です。
◆特徴◆
果実は小~中の大きさ。果皮の色はやや薄く、酸味と果実の甘みをバランスよくもっています。タンニンは柔らかめで、上品なワインに仕上がります。その特徴を生かすためにブレンドされることなく、単一で使用されることがほとんどです。
色合いは明るく輝くルビーやチェリー色を呈し、ストロベリーやラズベリー、きのこ、皮の香りをもっています。出荷されて数年で消費されることがほとんどですが、長期熟成に耐えうるものもあります。熟成後の枯れたような哀愁漂う味わいに魅了されているワインラヴァーも多いです。
◆主な産地◆
比較的涼しい産地で造られます。主な産地はドイツ、イタリア北部、オーストラリア南部、ニュージーランド、チリ、アメリカが挙げられます。
フランスではブルゴーニュが一大産地です。この他にロワール地方、またカベルネ ソーヴィニヨンと同じく、南フランスではヴァラエタルワインとして人気があります。
◆購入するならこの銘柄◆
フランス⇒ ブルゴーニュ(Bourgogne)、サンセール(Sancerre)、トゥーレーヌ(Touraine)
ニュージーランド⇒ セントラル オタゴ(Central Otago)
アメリカ⇒ ブドウ品種がラベルに書かれたもの
シラー
フランスワインを押えるにはぜひ覚えておきたいブドウ品種のシラーです。
◆特徴◆
果実は大きめで果皮の色は濃く、タンニンが豊富な力強いワインに仕上がります。色合いも大変濃く、黒赤紫色を呈します。
香りは動物的な野性味あふれるものがあり、インクや黒こしょうなど一度嗅いだら忘れられない特徴があります。単一で使用されることもあれば、複数のブドウ品種をブレンドされることもあります。
◆主な産地◆
オーストラリア(ここではシラーズと呼ばれます)、チリ、アメリカ、南アフリカが挙げられます。フランスではローヌ地方、ラングドック・ルーション地方で主にブレンドされ造られています。
◆購入するならこの銘柄◆
フランス⇒ コルナス(Cornas)
フランス南部、オーストラリア、チリ⇒ ブドウ品種がラベルに書かれたもの
最後に
ワインはブドウ品種=味といっても過言ではありません。ブドウ品種に注目して飲んでみると、その特徴からだんだん自分の好みが分かるようになってきますよ!様々なワインを試してみてくださいね。
執筆 Eriko