僕の紙辞書信仰(2)辞書を持ち街へ出る

2017.04.23

新しい環境でストレスが爆発し3時間もパソコンの前で泣いてしまった僕に、友人が課した3つのルール、

・毎日必ず10人(以上)のフランス人と言葉を交わす。ノルマが達成できなければ翌日へ持越し。
・外出時は必ず辞書を持ち歩き、目に入るすべてのわからない単語をその場で調べる。
・道は人に聞く

を実践する毎日が始まりました。

 

知っている場所でも道を聞く

毎日街で人を見かけるたびに「bonjour」と誰彼なしに声をかけ、分厚い辞書で道路標識や広告まで単語を調べ、わかっている場所に行くときでも人に道を聞くようにする生活が始まりました。

田舎特有のゆったりした空気が、そんな僕を後押ししてくれたのかも知れません。バス停でバスを待ってる時に隣のおばあちゃんからパンをもらったり、バスの中で楽譜を開いていたら前のマダムが「あなた歌手?」と話しかけてくれたり。

わざと間違えて…

そして、いつも聞かれたのは「その素敵な分厚い本はなに?

僕は得意げに「C’est mon bible ‼」(これは僕の聖書です!)と答えると、いつも笑顔で「C’est MA bible よ」と直されるのです。

でも、その会話が続くのが嬉しくて、わざと「C’est mon bible 」と間違えたものです。

 

調べた単語にしるしをつける

僕が単語を調べるときに必ずしていることがあります。一度調べた単語には必ず印をつけるのです。次回調べたときに「おい、また同じ単語を調べてるぞ!」と戒めるためです。

上の写真をよく見てもらうとわかるのですが、Aujourd’hui (今日)にもチェックが入っていますね…。おいおい、そんな単語も知らずにフランスへ来たのか、と今考えるとびっくりですが…。

戒めと書きましたが、中にはなぜだか一向に覚えられない単語もあるのです。覚えられないというより「覚える気がない」のかも知れませんが、そんな単語には何度も何度も印がついて真っ黒になっています。

 

フランス人との出会いは意外と難しい

新しい家も見つかり、学校が始まって日本人の友人もできて、寂しさを感じることもなくなりました。自己紹介記事でも書きましたが、家の大家さんから

フランス語を学ぶには日本人とのかかわりを最小限にして、出来るだけフランス人とフランス文化の中で過ごしなさい

と助言をもらい「よし、フランス人と過ごすぞ!」と意気込んではみたものの…実際住んでみるとわかるのですが、フランス人と出会う機会はそうたやすくは見つからないのです。また、意外なことにフランス語を話す機会もそれほどないのです。

もちろん周囲の多くはフランス人なのですが、自分から努めて出会いの場所を探していかなければ、「周囲の人」以上にはなりません。僕はとにかく知り合った日本人すべてに「フランス人の友人を作りたい」「出会う場所を教えてほしい」と伝えることにしました。

 

「言語交換会」に参加

そんなある日「エシャンジュの会( échanges languistiques franco-japonais 言語交換会、言語交流会) があるよ」と言われ、行ってみました。

フランス語を学びたい日本人と、日本語を学びたいフランス人がお互いに集い、交流をしたり言葉を教えあったりする場です。驚いたのが、「日本語を学びたいフランス人」の日本語レベルの高さ。意識していないと、日本人と日本語で会話していると思えるほどです。

日本人はみな電子辞書…

そんな中、よく見てみると日本人はほとんどが電子辞書。重い紙の辞書をわざわざこの場に持ってきている人はほとんどいません。「Daisuke、君はどうして電子辞書じゃないの?重くない?それ持ち歩くの」と言われます。

電子辞書は調べるのも早い。アルファベを打ち込めば予測検索でどんどん出てくる。しかも調べた単語を読み上げてくれる。ああ、なんてハイテク…うらやましい。

 

それでも紙辞書を使い続けた理由は?

「僕はいつだってこの紙の辞書だよ。これは僕にとって聖書なんだ」。半分強がって、半分は自分に言い聞かせるように、よく言ったものです。そんな思いをしながらも、僕が紙辞書にこだわり使い続けた理由はいったい何でしょうか。

それはまた次回にお話することにしましょう。

⇒前回の記事 僕の紙辞書信仰(1)

⇒僕の紙辞書信仰(3)

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執筆 Daisuke

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