フランス映画 Respireのご紹介

2016.09.18

長いバカンスも終わり、フランスでの新学期La rentréeがついに始まりました。

特に子供にとっては新しい学校生活の始まりにあたります。
どんな子がクラスにいるのかな、新しい友達はできるかな、
そんな期待と不安が入り混じった気持ちを抱えて登校していることでしょう。

新学期をむかえる緊張感を描いた映画

特に高校生の女の子となればなかなか友人同士の関係も簡単ではないと思いますが、
その極限の状態を描いた映画 Respire を今回はご紹介します。

過呼吸、耳鳴り、笑い声……それら全てが入り混じり、思春期の女の子が直面するであろう
友人関係の問題をリアルに描いた作品です。

カテゴリー的にはほとんどスリラーといってもいいくらいではないでしょうか。

あらすじ

シャーリー(Joséphine Japy)は17歳のどこにでもいるような高校生。
性格はどちらかというとおとなしい方です。

学期の途中、突然転校してきたサラ(Lou de Laâge)は美人で気が強く、とても目立つ存在。
シャーリーとは正反対の性格ですが二人はとても仲良くなり、またサラは自然にクラスに
溶け込んでいきました。

サラが叔母と二人で暮らしていることを知り、シャーリーは夏のバカンスに彼女を誘います。
しかし、シャーリーがサラを「クラスの友達の一人です」と他の人に紹介したことをきっかけに
二人の関係は少しずつ崩れていき、サラはシャーリーに辛くあたるようになります。

その後何事もなかったかのように新学期が始まったかと思いきや、サラの行動はエスカレートし
他のクラスメイトの前でからかったりといじめが毎日続いていました。
そしてついにシャーリーは体育のジョギング中に過呼吸を起こして倒れてしまいます。

また実はサラがアルコール中毒の母親と暮らしていることをシャーリーが知ってしまったため、
二人の関係はさらに悪化。シャーリーはサラからのいじめに耐えられなくなり、たまたま二人で
家にいる機会を利用しある行動に出ます。

⇒公式予告編はこちらのサイトからご覧いただけます

見どころ

タイトルが示す通り、Respire(呼吸をする)が重要なテーマになっています。

主人公の呼吸の音を共有することで緊張感が伝わってきて、まるで自分が当事者のように
ストレスを感じてしまうかもしれません。映画館を出てもなお、シャーリーが私の近くで息を切らしているような気がしました。

サラのようにDominant(支配的な)の性格の人は一定数存在し、コントロールがしやすい
人を見つけては不均等な関係を築こうとする、というのはフランスで何度か見たことが
あります。やはり一番の対処法はその関係が間違っているということに気づき、また認めることにあるのではないでしょうか。

この映画の中ではシャーリーの昔からの友達が”Je te reconnais plus.”と言ってくれた時が
そのチャンスだったのですが……。

彼女が最後の行動に出る前に「大丈夫、ゆっくり深呼吸して」と言って
抱きしめてあげることができたなら、そんなことを思ってしまいます。

ちなみにこの映画には原作小説があり、著者が17歳の時に書いたものだそうです。

Shokoプロフ写真1
執筆者 Shoko

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