さて今日のテーマも得意？の時事問題を。日本でもフランスの大統領選が報じられた際、話題になったかもしれませんね。現大統領 HOLLANDE 氏とパートナー Valérie さんとの関係から、フランスの結婚事情について見てみましょう。
フランスの離婚率と内縁関係
実はHOLLANDE 氏とパートナー Valérie さん、こちらで言う「UNION LIBRE（内縁関係）」で結ばれているのみ、結婚はしていません。なので法的にも国際的にも「夫婦関係」にはないのです。６０年代はまだこのUNION LIBREもDIVORCE（離婚）も悪く見られていましたが、今では大統領でさえもパートナーと未婚であるというほど、フランスではごく一般的な「カップルの在り方の一つ」として見られるようになってきています！
フランス人の結婚観
フランスの離婚率は日本に比べて高めです。残念ながら2011年度は44.7%の夫婦が離婚しました。ほぼ２分の１の確率！2006年度は30%だったのだから、いかに離婚が増えているか一目瞭然です。半分の確率で離婚してしまうなら、結婚などしないほうがマシ？
だからフランスでは UNION LIBRE が増えているのでしょうか？？結婚や離婚についての考え方は千差万別だとは思いますが、一般的に見て、フランス人の結婚観は日本人のそれよりも悲観的な印象を受けてしまいます。
ただ、一国の主張である大統領がパートナーを持ちながら未婚というのはさす～～がに自由の国フランスでも初のことらしく、二人の関係は色々とメディアに騒がれています！だって、メディアお騒がせの前大統領 SARKOZY 氏でさえ、5年間の任期のうちに離婚し、一時独身ではあったけれど、今の奥様である Carla さんとは結婚しましたよね＾＾
大統領が未婚の場合どういう問題があるのかというと、婚姻関係を重んじる敬虔なイスラム諸国やヴァチカン市国では、正式に結婚している女性しか「婦人」として受け入れないらしく、現状では HOLLANDE 大統領は一人でそれらの国を訪問せざるを得ないとのこと。他にもおそらくイギリス王室など伝統的な婚姻関係を重視する場所では、この内縁関係というのは良く見られてはいないようです。
そもそもHOLLANDE氏は以前のパートナー Ségolène さんとも結婚をせずして子供を４人授かり、法的にはず～っと独身を貫いていますよね。結婚を必要としていないらしいです。
もっとはっきり言えば、結婚をする意味が分からないそうなんです。プロテスタントが多いアメリカのように、私生活と政治社会が混同することがフランスでは無いため（明確な政教分離の国ですし）、私生活は私生活！政治は政治！と区別をはっきりつけたいとの思いもあるそうです。
さらに彼は、結婚をするなら自分たちの意思でしたい。世間体、政治のためにするべきものではない。と述べたそうです。
彼のそんな言動はまさに、フランスの現代における結婚観を表している気がします。とはいえ彼がこのような発言を堂々とできてしまうのは、彼が社会党の出身だからといえるかもしれませんね！
もしUMPなどの右派政党に属していたら、保守的で結婚を重んじるキリスト教信者の支持が多いことから、未婚のまま大統領に立候補なんて有り得ませんよね＾＾；
余談ですが、ドイツの新大統領 Joachim GAUCK 氏も12年間内縁関係にある Danielaさんと結婚せず、しかも前の奥さんとは離婚さえ成立していない状況で、オランダの皇室を迎えたくらいです。これに比べれば、HOLLANDE氏の結婚するしないはあまり問題にならないかもしれないですね＾＾；
最後に、最近の子供たちの会話です。
男の子：僕の両親別れることになったんだ。
女の子：あ～そんなのたいしたことないわよ。私の親なんて離婚しちゃうんだよ！
「別れる＝関係が終わる」よりも離婚のほうが酷いと見られている様子がわかりますね〜
だったら始めから結婚なんてするもんか、と思ってしまう気持ちも何となく分かります。
子供たちが両親の別れ話を普通のことのように話している光景なんて、なんだかとても悲しいですよね…
あとがき
将来自分の身には起こらないでほしい、そう願うばかりです＞＜
次回の A la Cafet’ は「フランスで出産」です。かなーりの裏話(！？)満載です。
こんな内容放映していいのかって思いましたが、誰にも聞けない話、どうしても知りたいけど手に入れられない情報・・・等を提供するのが A la Cafet’。
毎回「型破り」をテーマに、皆さんにとって有益な情報をお伝えしていきたいと思っております。
執筆 Yuki
