エリゼ宮でエレクトロ!夏至の風物詩、Fête de la musique音楽祭

2018.06.21

By Remi Mathishttps://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20483417

6月21日の今日は、第37回を迎えるFête de la musique (フェット・ドゥ・ラ・ミュジーク、音楽祭)の日です。フランス全土の街頭やカフェ、教会、コンサートホールなどさまざまな場所で、プロ、アマチュアを問わずライブ演奏を楽しめます。

 

街中がコンサート会場

フランスの夏の風物詩としてすっかり定着した「フェット・ドゥ・ラ・ミュジーク」は1982年、当時の文化相ジャック・ラング(Jacques Lang)が創設した音楽祭で、今ではフランスのみならず他国にも広まっています。

6月21日は夏至、フランスは夜10時半ぐらいまで明るいため、街頭で演奏するにはぴったりの日です。この音楽祭はフランス人の97%に知られている、大変人気のあるイベントです。

また、プロ・アマを問わずフランスのミュージシャンの10人に一人が、一度はこの日に演奏したことがあると言われています。

 

史上初、エリゼ宮がエレクトロのクラブに変身

今年はエリゼ宮(Palais de l’Élysée、大統領官邸の呼び名)の中庭でエレクトロのコンサートが開催されます。18世紀のファサード(建築物の正面デザイン)に囲まれたエリゼ宮正面玄関のある中庭は”La cour d’honneur de l’Élysée”と呼ばれ、各国の大統領や首相が赤い絨毯の上でフランス大統領と握手する写真や映像でよく見かける場所です。今日はここが大きなダンスフロアに変身します。

エリゼ宮のフェイスブックでの呼びかけに応じて参加を申し込んだラッキーな1500人のパリ市民は、今日の夜8時から深夜0時までの2時間、大統領官邸の中庭で大いに盛り上がることでしょう。

 

フレンチ・エレクトロの大物登場

本日のメインアクトは、世界的に有名なカヴィンスキー(Kavinsky)、ビジー・ピー(BUSY P:Daft Punkのマネージャーだったことで有名)、そしてDJセゼール(DJ Cézaire)、 キディ・スマイル(Kiddy Smile)、クロエ(Chloé:数少ない女性DJ)など、若者に人気のDJが勢ぞろいします。

 

大統領夫人はエレクトロ好き

ブリジット(Brigitte)大統領夫人はなんと大のエレクトロ好き、メインアクトで登場するカヴィンスキーの大ファンだそうです。

カヴィンスキーは、ヒット曲「ナイトコール」(Night Call)が2011年にカンヌ映画祭で監督賞を受賞したアメリカ映画「ドライブ」(Drive)に使用され、一躍世界中で有名になりました。

 

大統領にモダンなイメージを

これまでもエリゼ宮では、フェット・ドゥ・ラ・ミュジークの日にコンサートを開催していましたが、ほとんどがフランス共和国親衛隊(Garde républicaine)による映画音楽の演奏などの伝統的なものにとどまり、ちょっと大胆な大統領でもフランスのポップ歌手を招待したぐらいでした。

1977年生まれで今年42歳になるマクロン大統領は、「モダンで開かれたエリゼ宮」で過去の大統領たちと自分の違いをアピールしようとしているようです。

 

国会議事堂でディスコ

エリゼ宮に対抗してか、なんと国会議事堂のラセーの中庭(Cour de l’hôtel de Lassay)でも、数々のコンサートが開催されます。事前予約制で、定員1500名がすでに満員のエリゼ宮とは違い、すべての音楽好きパリ市民を招待しています。

夕方6時半から開始され、ソーラーパネルの電源だけでエレクトロ・ジャズを演奏するナシムDJ(Nassim DJ)に始まり、メランコリックなポップスのクララ・ルチアーニ(Clara Luciani)と続き、21時からはフレンチ・ディスコ・ポップスのランペラトリス(L’Impératrice)の登場で国会議事堂が巨大なディスコ会場に変身します。

本日、ワールドカップ2018のフランス対ペルーの試合がフランス時間の夕方5時から行われます。勝てばいよいよ盛り上がるに違いない、フェット・ドゥ・ラ・ミュジークに出かけてみてはいかがでしょうか?

フェット・ドゥ・ラ・ミュジーク、パリのプログラムはこちら
カヴィンスキーの曲 Night Callはこちら

執筆:マダム・カトウ

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