フランス語上級者が陥りやすい落とし穴〈3〉

2018.05.12

楽しくコミュニケーションするための心がけ

前回の記事で、いくら語学レベルが上がっても「日本人のやり方をしていてはフランス人に分かってもらえないことが多い」というお話をしました。

「フランス語上級者が陥りやすい落とし穴」も今回が完結編。フランス人と楽しくコミュニケーションをするための大切な心がけについてお話します。

 

フランス人と上手くコミュニケーションするための心がけ

フランス人とうまくコミュニケーションするためにフランス人と上手にコミュニケーションをとるために、私が心がけていることがあります。それはフランス人の行動や反応をよく観察しフランス人ならこういう場面でどうするか?ということを考える習慣を持つことです。

日本人のフランス語上級者が、お店の店員や公的書類の手続き担当者とトラブルになることはよくあります。トラブルの元となるのは日本文化として身についてしまった「お客様は神様」という感覚なのですが、これはフランスでは通用しません。多くの日本人には、店員や事務手続き担当者より客の立場の方が上という無意識の感覚があり、「相手が客である自分のために働いてくれるのは当たり前」という態度をとってしまうことがよくあるのです。

一方でフランス人は、客と担当者は平等な存在であり、お互いに一人の人間として尊重し合うべきという意識があります。だからお客様のために適切な仕事をして感謝されることはあっても、小さな不手際でお客様に激怒される筋合いはないという感覚があるのです。
日本人が相手の小さなミスや勘違いなどに敏感に反応することで、フランス人担当者が「そんなに怒りたいならほかの担当者のところへどうぞ」という態度を示すのにはこういう理由があります。

 

どうすればトラブルを避けることができる?

私はいつも働いている人の気持ちを思いやるひとことを心がけています。たとえば「今日はお客さんがたくさんいて休む暇もありませんね。大変ですけど、がんばってくださいね」とか、「この書類があったら皆さんのお仕事が少し楽になるかしらと思って持って来てみました。役に立ちますか?」など、あくまで担当者を一人の人間として思いやり、気持ちよく自分のために働いてもらえるように言葉がけを行います。

これは、私のフランス語がまだ未熟で知り合いに日常生活の雑務を手伝ってもらっていたときに、助けてくれたフランス人たちを見て学びました。

 

語学レベルが上がっても心と頭は日本人

語学レベルが上がれば、私たちは日本人から見てフランス人的な要素は増えるかもしれません。けれどフランス人から見ればまさに日本人であることは心に留めておいた方がよさそうです。言葉や文化などフランスの知識がいくら豊かになっても、日本人がフランス人とまったく同じように物事を感じたり、四六時中フランス人と同じような思考で生きることはないだろうからです。もちろんその必要もなければ、日本人的な個性を失ってしまうことはもったいないことでもあると思います。

 

まとめ

フランス人と上手にコミュニケーションを楽しむためには、お互いの心持ちや思考習慣が異なることを意識し、フランスの流儀を学ぶ姿勢が大切だと私は感じます。もちろん私たちがフランスの文化を学ぶだけでなく、フランスの方たちにも日本語や日本の文化、習慣に興味を持って学んでもらえたら素敵だと思います。そして日仏間の交流がより豊かなものへ発展するといいですね。

執筆:マナミ

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