香りで旅するフランス(1)ブルターニュ地方が生む海藻の香水とは?

2016.11.28

ブルターニュ香水の国としても知られるフランス。パリには数え切れないほどのブランドが集まり、南仏には花が咲き乱れます。一方、香りの世界ではあまり注目されないけれど魅力的でおすすめの場所が多くあります。今回はフランス北西部ブルターニュの香りをご紹介します

 

海藻の香料 どんな香り?

香水の原材料は技術の発展により大きく幅を広げています。大西洋に面するブルターニュ(Bretagne)沿岸で収穫される海藻もその一つです。時に長さ1メートルまで達するヒバマタ属の海藻が使用され、その粉末からアルガロール(Algarol)という香料が誕生します。

ほんの少量でも強力な香りなので、調香師達は加減しながら磯や波しぶきと言った海辺の情景を表現していきます。よくフローラル系と瑞々しい果物を思わせる香料を組み合せて生まれるアクアティックという香りとはまた違い、このアルガロールのすっきり感は少し男性的です。

海藻の香水 例えば・・・

服のブランドで知られるコントワールデコトニエ(Comptoir des Cotonniers)がノワール(Noir)という香水のラストノートに使用し、オリエンタルかつ斬新な女性像を描きました。

またエタ リーブルドランジュ(Etat Libre d’Orange)がセクレッション マニフィック(Sécrétions Magnifiques)でトップノートに取り入れ、湿気を帯び塩辛ささえ感じそうな個性的なオードパルファムを2006年に発売しています。

香水マメ知識

時間の経過による香りの変化を3段階に分類しています。香り立ちの変化には香水によって差があります。

  • トップノート・・・肌につけた時から30分程度。プロローグに相当
  • ミドルノート・・・~4時間程度 。物語のメイン
  • ラストノート・・・5時間から数日続くことも。

 

香水ブランド ロスマークって?

ブルターニュの海ロスマーク(Lostmarc’h)という香水のブランドをご存知でしょうか。2006年にアントワーヌ ヴィエルメ(Antoine Vuillermet)が立ち上げた比較的新しいメゾンで、彼の祖父母が住みはじめたブルターニュのクロゾン半島(Crozon)をテーマに作られています

多くのモード界から生まれた香水とは一味違い、彼はブルターニュの海沿いの気候からヒントを得て香りを生み出しています。作品名にもアタオ(Atao いつも)ラン アエル(Lann Ael 天使のランド)のようにブルターニュ語を使うことから、地元への愛情を感じとることができます。

ブルターニュの香りを再現

ロスマークの香調は肩肘を張らず、胸いっぱいに吸い込みたくなるものばかり。現在では貴重な自然香料をたっぷりと使用しながら彼の育った風景を美しく再現しています。

詳しくはこちら⇒ロスマークLostmarc’hのサイト

 

まとめ

ブルターニュの香りは都会に居ながらも海端の風を感じさせてくれます。スーツケースを持って短いバカンスに発つように、香りで旅ができると毎日がよりワクワクしたものになりますね。
次回はフランス南部へ香りの旅に出かけましょう。

執筆 ふみ

ふみ

 

 

 

 

 

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