フランスの年越しには欠かせない!ヤドリギの風習

2019.12.31

とうとう大晦日ですね。年越しの準備にみなさん大忙しのことと思います。フランスの年越しはカウントダウンの盛り上がりに集約され、特にお正月の伝統行事というものがあるわけではありません。そんな中わずかに残っている伝統のひとつが、gui(ギ)と呼ばれるヤドリギに関係するものです。

 

ヤドリギの下でキス

ヤドリギは、古くはガリア人に聖なる木とみなされており、病気や毒消しにも効くと信じられていました。寄生植物の一種とあり、冬になって宿主の葉がみな落ちてしまった後も、ヤドリギの葉は緑で残っていることと関係があるのかもしれません。

その聖なる「ヤドリギ」の下で敵と遭遇したときは、その場に武器を置いて翌日まで「停戦」するという了解もあったそうです。部屋の入口や天井に吊るしたヤドリギの下で、友情・愛情のしるしにキスをしあうという風習はこのあたりから生まれたと考えられています。

この風習は、アングロサクソンの国の方がよく残っています。クリスマスや新年の祝いで、ヤドリギの下で恋人同士がキスをすれば、結婚の約束になるとか、幸福と長寿が保証されるなどと言われているようです。映画や文学作品などで目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

新年を迎えるのにふさわしい木

フランスでは、ヤドリギの伝統は大晦日のものです。繁栄と長寿のシンボルであるヤドリギの枝は、新年を迎えるのにふさわしいものと考えられています。このあたり、日本における「松」の位置によく似ていて、面白いものだなぁと思います。

一度、友人の家に年末呼ばれたとき、テーブルの上にヤドリギの枝をヒイラギの枝と一緒に飾ってありました。ヒイラギの赤い実と、ヤドリギの白い実のコントラストが素敵で、一度真似をしてみたいと思いながら、まだ機会がありません。

 

しめ飾りの代わりにも!?

フランスではしめ飾りが手に入りませんが、その代わりにヤドリギを飾ってもいいかもしれませんね。どうぞ、2020年が皆さまにとって幸多い年となりますように。

執筆 ゆき

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