おなじみエメンタールチーズの“穴”が消えゆく理由とは?

2018.11.25

エメンタール

食欲の秋ということで、今日はチーズの話をしましょう。

 

チーズの穴はなぜできる?

スイスのエメンタールは大きな穴が特徴的なチーズで、世界的に有名です。食べたことがある人も多いでしょう。ところでこのエメンタールの穴が、ここ数年どんどん減ってきていることはご存知でしたか?

その謎(?)を解いたのが、2015年5月にスイスのAgroscopeが発表した研究です。それによると、あの大きな穴は、チーズの熟成段階に微生物がガスを発生することからできるのだとか。

穴が減りつつある理由は?

では、その微生物はなぜ減ってしまったのか?それは、搾乳作業がオートメーション化されたことと関係します。

昔は乳しぼりは手作業で、牛乳は桶に入れられていました。穴のもととなる微生物は、実は牛小屋に山とある干し草に潜んでいるものだったのです。搾乳段階やその前後の移動時に牛乳と混ざった微生物がガスを発生し、穴を作っていたというわけ。

当然、機械搾りとなれば菌の侵入する機会はぐんと減り、穴が無くなりつつあるということです。

チーズ作りに欠かせないのが微生物

微生物が活躍するのは、なにもエメンタールの穴づくりだけではありません。上に書いたように、チーズは熟成されて初めてその特徴となる味を身につけるもの。熟成とは要するにチーズの発酵過程。ここで活躍するのも微生物です。

熟成庫は、フランス語でcave(キャーヴ)といいます。caveはワインセラーや地下室を指す単語として知られていますが、チーズが寝かされるのもcaveです。チーズ製造業者がそのまま熟成過程も手掛けることもありますが、別の業者が請け負っている場合もあります。

キャーヴで熟成中のチーズキャーヴで熟成中のチーズ

微生物の活動を助けるため、温度や湿度をしっかり調整するのも熟成業者の仕事です。寝かせるだけではなく、上下裏返したり移動させたり、チーズの種類によっては表面を洗ったりブラシをかけたり。数週間から長い場合は2年(!)も、手間暇かけてお世話します。

 

みなさんはどう思いますか?

食品の衛生はもちろん大切ですが、チーズのような発酵食品は無菌室では作れません。エメンタールの穴も、やっぱりあった方が美味しいような気がしてしまうのですが、みなさんはどう思いますか?

執筆:ゆき
執筆 ゆき

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