【フランスの宗教行事】2月の四旬節とは?聖ベルナデットの祝日

2019.02.01

ルルドの洞窟を模した物。ルルドから運んだ岩で作ってあります。復活祭は3月21日以降の最初の満月の次の日曜日。クリスマスと違って毎年同じ日ではありません。復活祭を前にした2月には、宗教行事がいろいろあります。今回は2月の行事についてお話しいたします。

 

四旬節Carême(カレム)

en24-1復活祭の前の46日間は四旬節Carême(カレム)。その語源は、「復活祭から40日前」という意味です。安息日である日曜を数えなければ、実際40日になります。これは、イエズスが砂漠をさまよったとされる日数に合致します。

この四旬節は、伝統的には、完全な断食とはいかないまでも、動物性のものや甘いものを避けて、節制する期間とされています。ジョニー・デップとジュリエット・ビノッシュ主演の映画『ショコラ』(2000年)をご覧になった方は冒頭の様子を思い出してみてください。

主人公の女性が、保守的かつ閉鎖的なフランスの田舎町にやってきて、チョコレートの店を開く場面から始まりますが、それは丁度この四旬節の間のことでした。「断食期間にチョコレート店を開くなんて!」という村人たちの白い目は、四旬節の伝統を知らないと理解できないでしょう。

灰色の水曜日

en24-2四旬節最初の日は、灰の水曜日。その前日が、かの有名なmardi gras(マルディ・グラ=「脂っこい火曜日」。カーニバル最後の日です。断食に入る前に、卵や砂糖を消費してしまおうということで、クレープやゴーフルを食べる習慣が各地にあります。

 

聖ベルナデットの祝日

en24-3このマルディ・グラは、たいてい、毎年2月に当たり、2015年は灰の水曜日と重なっていました。2月18日は実はフランス人には馴染み深い聖ベルナデットの祝日でもあります。

ルルドの洞窟を模した物。ルルドから運んだ岩で作ってあります。

ルルドの洞窟を模した物。ルルドから運んだ岩で作ってあります。

Lourdes(ルルド)という場所の名を聞いたことがおありでしょうか。1858年に、聖母マリアが洞窟に出現し、泉の湧き出る地点を指し示しました。その泉水が数々の奇跡をもたらしたため、その後、巡礼地となったのがルルドです。

スペインとの国境に近い山里でしたが、今では世界中にその名が知られ、一年中巡礼者の絶えることがありません。それにもかかわらず、今も素朴さを留めた町でもあります。

聖ベルナデットの生涯

聖ベルナデットは、まだ14歳で薪取りに来ていて、この聖母マリアの出現に立ち会った少女です。合計18回も聖母マリアの出現に立ち会ったということで非常に注目を浴びましたが、生涯慎ましく謙虚に生き、修道女として短い一生を終えました。

彼女の遺体は今も、ブルゴーニュ地方Nevers(ヌヴェール)の聖ジルダール修道院礼拝堂に安置されています。なにしろ19世紀も後半に入った頃のこと。このルルドの奇跡に関しては目撃者も多く、数々の記録が残っています。日本語の訳も多く出ていますので、旅行で訪れる予定の方は事前に読んでおかれても良いですね。

執筆:ゆき
yuki

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