ジュラ・サヴォワ地方はフランス東部に位置し、ジュラ山脈の裾野とスイスのレマン湖畔の近くに広がるワイン産地です。日本ではまだまだメジャーではありませんが、さまざまな個性的なワインがありますのでご紹介します!
ジュラ・サヴォワ地方のワイン造りの特徴は?
ジュラ県とサヴォワ県のワイン造りについてご説明します。この地域のワインにはどのような特徴があるのでしょうか?
【ジュラ県】 細菌学者ルイ・パストゥールの故郷
山脈といえば雪が積もって寒そうなイメージがありますよね。しかし、ジュラ山脈は半大陸性気候により夏は暑く、乾燥するブドウ栽培に適した土地といえます。
ジュラ県は細菌学の父といわれるルイ・パストゥールは出身地で、アルコール発酵の原理や低温殺菌法の発見などでワインの技術向上に大いに貢献しています。彼自身もここにブドウ畑を所有していたそうです。
【サヴォワ県】 白ワイン派は注目しよう!
涼しい気候を生かしたワイン造りが盛んで、特に白ワインが多く造られています。アルプス山脈の美しく雄大な土地でブドウ生産がされているので、ワイナリー巡りも楽しみのひとつといえるでしょう。大自然の中でワインを試飲するのも素敵ですね!
ジュラ・サヴォワ地方の個性派ワインのご紹介!
他のワイン生産地との違いがはっきりわかるジュラ・サヴォワ地方は、作られるワインも独特で個性的です。特に印象的なワイン2種類をご紹介します。
「ヴァン ジョーヌ」独特の香りと黄色が特徴
皆さんは黄色のワインをご存知でしょうか。フランス語でヴァン ジョーヌ ( Vin Jaune )と呼ばれ、完熟したサヴァニャンというブドウ品種から造られるジュラ県のワインです。
白ワインとして醸造し、樽に詰めたあと最低6年間熟成させます。その期間、蒸発分の補充や澱引きを一切しません。すると表面にワイン酵母による皮膜ができます。
その皮膜からアーモンドやクルミのような香りが生まれ、ワインに独特の風味を与えます。その間に色合いは徐々に濃くなっていき「黄色ワイン」が誕生します。
黄色ワインは、シャトー シャロン( Château-Chalon )やアルボワ(Arbois)など限られた地域で、ヴァン ジョーヌを生み出すAOC (格付けワイン) 名で生産されています。
「ヴァン ドゥ パイユ」貴重な”藁のワイン”
ジュラ県ではなんと藁のワインが造られているのです!ヴァン ドゥ パイユ (Vin de Paille )というワインですが、実際に藁で造るわけではありません。
収穫したブドウを藁の上で乾燥させ、糖分を凝縮させて造られるワインです。
乾燥させると干しブドウのようになり、それを搾るのは熟練の技が必要なうえに熟成にも時間もかかります。このように貴重な藁のワインは甘口に仕上がりデザートワインとして多くの方に楽しまれています。
最後に
今回はジュラ・サヴォワ地方で造られる独特で印象的な黄色ワイン、藁のワインをご紹介しました。もちろん他の生産地域と同じく白・赤・ロゼ・スパークリングワインも生産されていますよ!
ジュラ・サヴォワ地方のワインはまだまだ日本では流通の少ない珍しいワインなので、見つけたら是非お試しくださいね。
執筆 Eriko