結婚・PACS・事実婚…フランスのカップルの自由なかたち

2017.06.27

フランスの自由なカップルのかたち

アムールの国フランスでは、若者からお年寄りまでさまざまなカップルが街なかでハグやキスをしているのをよく見ます。そんな幸せそうなカップルたちはどんな関係なのでしょうか。恋人?夫婦?それとも…?

フランスでは、カップルが家族になる方法は必ずしも結婚だけではありません。今回は、フランスのカップルの在り方についてご紹介いたします。

 

結婚(mariage)

法律上もっとも共同義務のあるカップルの形。市役所で夫婦揃って書類を提出し、その後に宗教上の式(教会で挙式など)を行うのが結婚式の流れとなります。週末になると、市役所の前に新郎新婦がいる光景をみたことがある方もいるのではないでしょうか。

名前は変えても変えなくてもどちらでもOK。一般的には日本と同じように夫の姓に合わせる夫婦が多いようです。現在では同性婚も認められています。

日本人がフランス人と結婚したら?

外国人がフランス人と結婚した場合、配偶者としてビザが発行されます。ですが、滞在許可証の更新時期は法律の変更によってよく変わります。そのつど最新情報の確認をお勧めします。

離婚の場合は?

お互いの合意の上での離婚でも必ず弁護士に書類手続きをしてもらう必要があり、本人たちだけでは別れることが出来ません。日本のように離婚届を記入、提出で終わりとはいかないのです。時間と手間がかかります。

 

パックス(PACS)

Pacte civil de solidaritéの略称。もともとこの制度は、性的マイノリティの人々からの社会的地位向上の要望を受けたうえで、異性、または同性のカップルが安定した共同生活を送ることができるように制定されました。制定当初はその半数近くが同性カップルでしたが、結婚よりも手続きが簡単なことから、現在では異性カップルがこの制度を利用する割合が増加しています。また、同性婚が認められた現在でもPACSを選ぶ同性カップルも多くいます。

書類の提出は、裁判所。財産などは、共同にするか別々にするか自分たちで決めることが出来ます。また所得税は2人まとめて申請できるなど、節税のメリットがあります。

日本人とフランス人との場合は

日本にはない制度のため、日本人がフランス人とPACSを組んでも戸籍上の変更はなく、姓も変わりません。

また、ビザはPACSだけでは発行されません。最低1年の同棲生活を証明する書類の提出が出来る場合に、滞在許可証の申請が可能です。本当にカップルなのか、ビザ取得目的のPACSじゃないかを見極めるためらしいです。

解除の方法は?

裁判所へ書類提出でOK。両者揃っていなくても、片方からだけの申請でも解除可能です。

 

事実婚

特別な手続きを行わずに同棲しているカップル。法律上の義務はありません。

フランスでは事実婚は珍しいことではありません。私のフランス人の友人にも、両親が事実婚という人が多くいます。

日本人の感覚では、パートナーと一緒に暮らしていて子供もいるのに籍に入っていないと聞くと「なにか大きな事情があるのでは?!」と思ってしまいます。しかしそれは本人たちの選択したことであって、周りも皆それを尊重し認めています

 

結婚率は低いが出生率は高い

フランスのカップルの自由なかたち

2016年の先進国の結婚率を見ると、日本が1000人中5人に対してフランスは3.5 人と低い結果になっていました。しかし出生は日本の1000人中7.8人に対して、フランスは12人!(http://www.garbagenews.net/archives/2013779.htmlより)

先進国の中でも、フランスは結婚率が低く出生率が高い国と言えます。それは、上記のように結婚だけじゃない家族の形があるからなんですね。

 

自由な家族の形

家族の形は十人十色。そんな文化を知って、私は自由なフランスをさらに好きになりました。皆さんはどう思いますか?

執筆 Emi
Emi

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