Daisukeのフランスこんな小話(13)
駅で起きた恐ろしい話、そして奇跡。

2016.02.23

Frustrated businessman with hands on face

不定期で気まぐれにお届けしている「Daisukeのフランスこんな小話」。13回目の今回は、その13という不吉な数字からも想像がつくようなとっても恐ろしいお話です。今思い出しても背筋がぞっとする、目の前が真っ暗になる内容です。皆さん心の準備はいいでしょうか…?

 

駅で感じた、イヤな違和感

2日前のこと。シャルルドゴール空港(Charles de Gaulle)に降り立った僕は長旅の疲れもあって、荷物を受け取った後すぐにRER(Réseau Express Régional 首都圏高速鉄道網)のホームへと向かいました。

その5分後、パリまでノンストップの電車がやってきます。扉を開けて乗り込みます。毎日利用している電車なので勝手知ったるもの。30分ほどでGare du Nord に到着します。

「さて、降りましょうか」となった時、僕はある違和感に襲われます。それも、ものすごく嫌な、脂汗が垂れるようなそんな違和感です。

あれ…?鞄が一つない…

しかも、絶対になくしてはいけないものばかりが入った鞄。背筋に悪寒が走ります。慌てて座席をくまなく探してみても、どこにもありません。

たしか、ホームで電車を待っているときには持っていたはず。そのあと電車の扉を開ける時に、手がふさがっていたため鞄を地面に置いて…

frustrated young business man

そのあと拾った記憶がない…。ホームの端に置きっぱなし。絶対盗まれている…。

 

フランスでは、なくしたものは出てこない

皆さんも、本当に気を付けていただきたいのですが、フランスでは、なくしたものが出てくることはまずありません。ましてや貴重品などが入っている場合、絶対に出てこないと覚悟を決めなければいけません。

それでも、とにかく何とかしなければいけないと駅の窓口に駆け込みます。鞄の詳細と中に何が入っていたか、どこの駅か、何時だったか。矢継ぎ早に伝えます。

それを聞いた駅員さんは、「今から空港駅に問い合わせてみるけど、出てこないことを覚悟してください」「それにしても、またえらいものを忘れてきたのね…」と困った顔をします。

 

「いい状況ではない」と言われ…

待っている間、友人に事情を伝えるために電話をかけていると、空港駅から連絡がありました。その鞄の詳細をもう一度教えてほしいと言われます。もう一度詳細を伝えると、なんと奇跡的にも、セキュリティにより荷物が保管されていることがわかります。

「あなたは本当に運がいい。こんなことは滅多にない。奇跡だよ!」。そう駅員さんに言われます。続けて「でも不審荷物として空港駅側ではかなり警戒されていたので、いい状況ではないことは確かだよ。とにかくすぐに空港駅に向かいなさい」

チケットを買い直して空港駅へ向かいます。到着後すぐに窓口へ向かい、そこでかなり厳しくお説教をされます。荷物受け取りのための書類を書きます。

あまりに気が動転していたため、罰金か手数料なのかを確認し忘れましたが、荷物を受け取る際には10ユーロ払わなければいけません。これは現金でもカードでもどちらでも大丈夫です。

また、もちろんのことですが身分証明書も提示する必要があります。住所を書かなければいけないので、滞在先の住所を確認しておきましょう。

 

奇跡はなぜ起こったのか

無事に荷物を受け取った僕ですが「今回は奇跡だと思ってね。本当に運が良かったとしか言えないわ」と再度釘を刺されます。そして僕がしっかりパスポートを鞄の中にしまい、荷物を手に持ったことを確認して「二度と忘れちゃだめよ」と言われます。

僕の鞄がなぜ盗まれなかったのか。それはたまたま、鞄が不審な荷物か爆発物などと疑われ、すぐに駅のセキュリティによって確保されたからです。

今回は運がよく荷物が手元に戻ってきましたが、こんなことはほとんどないと思ってくださいね。皆さんがフランスに旅行される際は、いくら長旅で疲れていようとも、手荷物を放置してしまうことのないよう、くれぐれもお気をつけくださいね!

執筆 Daisuke
 

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